富士通とSupermicro、AIシステム基盤の開発で協業:「FUJITSU-MONAKA」を搭載
富士通とSuper Micro Computerは、戦略的協業を始める。電力消費を抑えた高性能プロセッサ技術や環境に配慮した水冷技術などを持ち寄り、次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」を搭載したデータセンター向け「AIコンピューティングプラットフォーム」を、2027年より提供していく予定である。
エフサステクノロジーズも参画、生成AIソリューション提供へ
富士通とSuper Micro Computer(以下、Supermicro)は2024年10月3日、戦略的協業を始めると発表した。電力消費を抑えた高性能プロセッサ技術や環境に配慮した水冷技術などを持ち寄り、次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA」を搭載したデータセンター向け「AIコンピューティングプラットフォーム」を、2027年より提供していく予定である。
Supermicroは、ビルディングブロック手法を用いて最適設計されたサーバを、幅広い用途に提供している。また、ラックレベルのプラグアンドプレイ(PnP)水冷ソリューションでも強みを持つ。富士通は、2nm世代のプロセスを採用したArmベースの「FUJITSU-MONAKA」を開発中で、2027年にも市場投入を予定している。
そこで今回、両社がそれぞれ強みとする技術を組み合わせることで、優れた性能と省電力性を実現しつつ、幅広いソフトウェア互換性により、高い信頼性や安全性、使いやすさを併せ持つAIコンピューティングプラットフォームを開発することにした。
今後は、エフサステクノロジーズも協業に加わる予定。そして、データセンター事業者やエンタープライズ向けに、SupermicroのGPUサーバ製品をベースとしたAIコンピューティングプラットフォームおよび、導入支援サービスを組み合わせた「生成AIソリューション」をグローバルに提供していく計画である。
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