1つで2ラインの逆流を防止 理想ダイオード機能搭載ロードスイッチIC:電池の長寿命化に貢献
トレックス・セミコンダクターは、理想ダイオード機能を搭載したロードスイッチICのラインアップを拡充し、出力電流500mA/1000mAのロードスイッチを2チャンネル搭載した「XC8112シリーズ」「XC8113シリーズ」を発売した。
トレックス・セミコンダクター(以下、トレックス)は2024年9月13日、理想ダイオード機能を搭載したロードスイッチICのラインアップを拡充し、「XC8112シリーズ」「XC8113シリーズ」を発売した。
2チャンネル搭載で実装面積削減に貢献
XC8112/XC8113シリーズは一方向にしか電流を流さないなど理想的なダイオード特性を発揮する「理想ダイオード」として振る舞う機能を搭載し、逆流防止に利用できる。ダイオードの順方向電圧に相当する電圧は20mVと極めて小さいため、一般的なショットキーバリアダイオードと比べて電池の長寿命化が期待できる。電流制限機能や熱監視機能も備えている。
トレックスは従来、理想ダイオード機能搭載ロードスイッチICとして、出力電流500mAの「XC8110シリーズ」と1000mAの「XC8111シリーズ」を展開していた。今回の新製品は出力電流500mA/1000mAのロードスイッチを2チャンネル搭載したものだ。
500mA×2チャンネルのXC8112シリーズは、民生機器/産業機器のバックアップ回路などで2ラインの逆流防止が必要なケースに向ける。従来2つ用いていたロードスイッチICが1つで済むため、基板面積を削減できる。
1000mA×2チャンネルのXC8113シリーズは、並列接続すれば2000mA×1チャンネルのロードスイッチICとして利用できるため、小型大電流用途での利用を想定する。
部品自体の実装面積としては従来のXC8110/XC8111シリーズを2つ並べる方がXC8112/XC8113シリーズを1つ用いるよりも小さいが、トレックスは「配線パターンの面積なども含めるとXC8112/XC8113シリーズの方が小さくなる」としている。
トレックスは今後、産業用途などに向けて理想ダイオード機能搭載ロードスイッチICのラインアップを拡充していく計画だという。
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