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長期保管した半導体や、古いデートコード品は使えるのか?(後編)半導体製品のライフサイクルに関する考察(9)(3/3 ページ)

本稿では、十数年以上にわたり適切な環境で保管されていた半導体製品を「使えるのかどうか」、つまり、基板実装後も仕様通りに動作するのかを検証する。

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適切に保管されれば問題はない

 今回は、最大17年間保管されたコンポーネントのはんだ付け性、機械的信頼性および、電気的性能について詳細に分析した。その結果、適切に保管された場合、問題や障害は検出されないことが分かった。

 ここまでは、ロチェスター独自の検証とその結果であるが、複数のOCMが、管理された環境で保管された半導体製品の詳細な分析を実施し、その結果を報告している。一例を示すと、

1.Allegro Microsystemsは、最大10年間常温で保管されたコンポーネントを分析し、長期保管ははんだ付け性に影響しないと結論付けた。また、推奨される保管条件下ではなく、半導体製品単体をそのままの状態で長期間放置することで発生したリードの酸化は、はんだ付け性に影響しないことも示した

2.Texas Instrumentsは、長期保管後の半導体製品の信頼性に関する研究を実施した。

  • 製品のパフォーマンスと半導体製品の保管寿命(管理された倉庫環境で保管)は21年を超えると結論付けられた
  • 1998年以降に実施された複数の調査で、製品またはPCBへのはんだ付け能力に悪影響を与えるような信頼性の低下の証拠は見つからなかった
  • この時、対象となった半導体製品は、はんだ付け性、SEMによる外観、SEMスペクトル分析、光学顕微鏡、感湿レベル(MSL)の性能、パッケージ開封/外観などの複数のテストを受けた

最後に

 民生用アプリケーションでは、多くの場合、製品の耐用年数が制限されており、その市場に製品を提供する企業では製品のライフサイクルを短縮する方向に進んでいる。それに対し、半導体製品に対して、より長いライフサイクルが要求される分野もいくつかある。産業、自動車、医療、航空宇宙/防衛などの分野では、アプリケーションのライフサイクルが30年以上に及ぶ場合も少なくない。その結果、これらのアプリケーションのライフサイクルを維持するためには、継続的な部品供給が不可欠となる。そのため、多くの半導体製品において、製造中止後も長期間の保管が求められている。

 半導体製品の長期保管が必要な場合、適切な条件下で保管された半導体製品が市場において信頼できるものであると、顧客が確信できることが重要になる。継続供給性やシステムの長期的な可用性を確保するために、豊富な製品在庫を持ち、付加価値となるサービスや製造ソリューションを提供しているパートナーとの協力も欠かせないものになるだろう。

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