Micronの四半期業績、売上高が過去最大を更新:福田昭のストレージ通信(272)(2/2 ページ)
今回は、Micron Technologyの2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の四半期業績を紹介する。
クラウド向けDRAMの強い需要が売り上げ増に貢献
次は事業部門(Business Unit)別の売上高を見ていこう。Micronは「CNBU(Compute and Networking BU)」(コンピューティングとネットワーキング)、「MBU(Mobile BU)」(モバイル)、「SBU(Storage BU)」(ストレージ)、「EBU(Embedded BU)」(組み込み)の4つの事業部門(BU)を備える。
CNBUは、データセンターとPC、グラフィックス、ネットワークに向けたメモリ製品とメモリモジュール製品を扱う。具体的にはHBM、DDR DRAM、LPDDR DRAM、GDDR DRAMなどで、CXLモジュールとMRDIMMを含む。
CNBUの2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の売上高は前四半期(前期)比45.6%増、前年同期比153.0%増の43億9500万米ドルである。CNBUとしては四半期ベースで過去最高の売り上げを記録した。全体の売上高に占める割合は50.5%と半分を超えた。HBMに代表されるクラウドサーバ向けDRAMの需要が極めて強かった。HBMの売上高は前期と比べて2倍を超えたとする。
MBUは、スマートフォンその他のモバイル機器に向けたメモリ製品とストレージ製品を扱う。具体的にはLPDDR DRAMとNANDフラッシュメモリ、eMMC、UFSなどである。
MBUの2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の売上高は前四半期(前期)比18.6%減、前年同期比18.1%増の15億2700万米ドルである。モバイル分野のユーザーが在庫水準を減らしたため、売り上げが下がった。Micronはモバイル向けの生産ラインを一部、データセンター向けに変更することで対応した。
SBUはデータセンターとPC、民生に向けたSSDとフラッシュストレージを扱う。具体的にはデータセンター向けのエンタープライズSSDとクラウドSSD、エンタープライズ向けNANDフラッシュメモリ、PC向けのクライアントSSD、民生向けの「Crucial」ブランドSSDなどである。
SBUの2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の売上高は前四半期(前期)比3.0%増、前年同期比165.1%増の17億3100万米ドルである。SBUとしては四半期ベースで過去最高の売り上げを記録した。データセンター向けのSSDが非常に好調だった。
EBUは、自動車、産業、民生の組み込み用メモリとストレージを扱う。具体的にはDRAM単体とDRAMモジュール、NANDフラッシュ単体、マネージドNANDフラッシュ、SSD、NORフラッシュメモリなどである。
EBUの2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の売上高は前四半期(前期)比10.2%減、前年同期比1.4%増の10億5200万米ドルである。自動車、産業、民生分野のユーザーで在庫水準を下げる動きが続いた。
事業部門(BU)別の2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)業績概要[クリックで拡大] 出所:Micron Technology(2024年12月18日に公表された連結決算概要のプレスリリース)
売上高の73%をDRAM、26%をNANDフラッシュが占める
Micronの主力製品はDRAMとNANDフラッシュメモリである。2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)の売上高に占めるDRAMの比率は73%で、前四半期(前期)から4ポイント上昇した。NANDフラッシュメモリの比率は26%で、前期から5ポイント低下した。
2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)におけるDRAMの売上高は前四半期(前期)比20.2%増、前年同期比86.8%増の64億米ドルである。ビット換算の出荷量は前四半期(前期)と比べて10%増〜20%増と推定した。平均販売価格は前四半期(前期)と比べて6%〜9%上昇した。
2025会計年度第1四半期(2024年9月〜11月期)におけるNANDフラッシュメモリの売上高は前四半期(前期)比5.2%減、前年同期比82.2%増の22億4100万米ドルである。ビット換算の出荷量は前四半期(前期)と比べて2%〜4%減少した。平均販売価格は前四半期(前期)と比べて2%〜4%低下した。
(次回に続く)
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