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ダイヤモンド半導体の研究促進と社会実装を目指す:佐賀大学とCTCが先端技術で連携
佐賀大学と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、ダイヤモンド半導体の研究を促進するとともに、社会実装の早期実現に向けて連携する。
賛同者を募り、規格の標準化や量産化に向けた体制の整備も
佐賀大学と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2025年1月、ダイヤモンド半導体の研究を促進するとともに、社会実装の早期実現に向けて連携すると発表した。
究極の半導体といわれるダイヤモンド半導体は、高いエネルギー効率を実現できるため、高性能のサーバ機器や通信機器、電気自動車、量子コンピュータなどへの応用が期待されている。
こうした中で佐賀大学は、早くからダイヤモンド半導体に着目し、先端研究を行ってきた。一方でCTCは、多くのITソリューション事業を展開している。その一環として、エネルギー効率を高めることができるダイヤモンド半導体に関しても、研究・開発段階から携わることにした。
具体的に佐賀大学は、ダイヤモンド半導体研究への委託契約などを通じた支援をCTCから受ける。研究成果については、関連する技術情報をCTCへ提供する。これに対しCTCは、研究テーマに賛同する企業や研究機関を募り、規格の標準化や量産化に向けた体制の整備を進めていく。さらに、伊藤忠グループとの連携などにより、グローバルな展開も支援していく計画である。
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