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パワー半導体モジュール基板の熱拡散率評価法を検証産総研グループと日本ガイシ

産総研グループ(産業技術総合研究所およびAIST Solutions)と日本ガイシは、パワー半導体モジュールなどに用いられる窒化ケイ素製セラミック基板の熱拡散率を、高い精度で評価するための共同研究を始めると発表した。

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厚みが0.5mmより薄い基板における熱拡散率の測定手法を提案

 産総研グループ(産業技術総合研究所およびAIST Solutions)と日本ガイシは2025年1月、パワー半導体モジュールなどに用いられる窒化ケイ素製セラミック基板の熱拡散率を、高い精度で評価するための共同研究を始めると発表した。

 窒化ケイ素(Si3N4)は耐熱性や耐食性に優れ、高硬度で高熱伝導性などの特長を有する部材である。近年は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のモーター制御用インバーターなどに用いられる絶縁放熱回路基板向け部材としても需要が高まっているという。

 Si3N4製のセラミック基板は、パワー半導体モジュールが駆動時に発生する熱を逃がす役割がある。特に、基板が薄く熱拡散率が高いほど、パワー半導体モジュールの動作効率を向上させることができるといわれている。

 ただ、厚みが0.5mmより薄い基板では、熱拡散率の評価手法がこれまで規定されていなかった。そこで産総研グループと日本ガイシは、基板の熱拡散率測定に影響を及ぼす前処理工程の定量化に向けたデータ収集を行うことにした。0.5mmよりも薄い基板の評価手法を検証することで、測定値の精度を向上させていく。さらに評価手法の標準化に向けて産業界へ提案していく考えである。

左は窒化ケイ素製セラミック基板、右は絶縁放熱回路基板の外観[クリックで拡大] 出所:産総研、日本ガイシ

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