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ロームのGaN HEMT、AIサーバ向け電源に搭載決まる:村田製作所グループ会社が採用
ロームは2025年2月、Murata Power Solutionsが開発するAIサーバ向け5.5kW出力のM電源ユニットに、ロームの「GaN HEMT」が採用されたと発表した。このGaN HEMTは650V耐圧で高放熱のTOLLパッケージを用いている。
低損失動作や高速スイッチング性能を実現
ロームは2025年2月、Murata Power Solutionsが開発するAIサーバ向け5.5kW出力の電源ユニットに、ロームの「GaN HEMT」が採用されたと発表した。このGaN HEMTは650V耐圧で高放熱のTOLLパッケージを用いている。
最新のGPUなどを搭載したAIサーバが消費する電力量は年々増大している。このため、電力を供給する電源には高効率動作や小型化が求められている。こうしたニーズに対しロームは、応用製品の消費電力低減や周辺部品の小型化、部品点数の削減などを可能にするGaNデバイスを「EcoGaN」製品として用意し、供給している。低損失動作や高速スイッチング性能を実現した今回のGaN HEMTもその1つである。
村田製作所グループであるMurata Power Solutionsのテクニカルフェローを務めるDr. Joe Liu氏は、「GaN HEMTがもつ高速スイッチング動作と低い寄生容量および、ゼロ逆回復の特性により、スイッチング損失への影響を最小限に抑えることができ、スイッチングコンバーターの動作周波数を増加させて、磁気部品のサイズを縮小することが可能となった。開発中の5.5kW出力のAIサーバ向け電源ユニットにGaN HEMTを採用することで良好な結果を得ている」とコメントした。
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