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リガク、半導体計測装置の生産能力を50%増強:大阪と山梨の製造ラインを拡張
リガク、半導体プロセス・コントロール機器の生産能力を増強した。自社の大阪工場(大阪府高槻市)と協力会社の日邦プレシジョン第6工場(山梨県韮崎市)において、製造ラインを拡張した。
引き続き生産能力を拡大、2027年までにはさらに50%増強へ
リガクは2025年6月、「半導体プロセス・コントロール機器」の生産能力を増強したと発表した。自社の大阪工場(大阪府高槻市)と協力会社の日邦プレシジョン第6工場(山梨県韮崎市)において、製造ラインを拡張した。
リガクは、半導体プロセスの研究開発や量産に必要となるX線分析装置を開発、供給している。AI半導体の需要が急速に拡大するとともに、3次元メモリや3次元トランジスタなどの登場によって、半導体素子の構造は一段と複雑になり、膜厚の正確な測定や組成の分析、評価などが求められている。
このため同社は、2カ所の生産拠点を拡張し、供給能力を引き上げることにした。今回の拡張により、組み立て・検査エリアの面積は約2倍に拡大した。既に山梨工場ではX線源や検出器など、X線の重要部品について生産能力を増強している。
これらの投資により、2025年第4四半期には半導体プロセス・コントロール機器全体の生産能力(台数ベース)が、前年同期に比べ約1.5倍となる見込み。これらの取り組みによって、半導体プロセス・コントロール機器の売上高は、2025年通期で前年比約20%増加すると予想している。
引き続き、需要に応じて投資を行い生産設備を増強する予定である。この結果、2027年までに生産能力は、さらに50%増強される見通しだ。
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