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低軌道衛星向けPoL降圧コンバーター、放射線耐量を最適化:STが発表
STマイクロエレクトロニクスは、低軌道(LEO)衛星に向けたPoL(Point of Load)降圧コンバーター「LEOPOL1」を発表した。
宇宙で実証済みのBCD6-SOI技術を活用して製造
STマイクロエレクトロニクスは2025年7月、低軌道(LEO)衛星に向けたPoL(Point of Load)降圧コンバーター「LEOPOL1」を発表した。
STはLEOシリーズとして、LEO衛星に最適化された品質保証と放射線耐性を備えたディスクリート電源ICやアナログIC、ロジックICなどを供給している。LEOPOL1は同シリーズの新製品で、宇宙で実証済みのBCD6-SOI技術を活用して製造している。
LEOPOL1は、全吸収線量(TID)が50krad(Si)で、総非イオン化線量(TNID)耐性は3×1011proton/cm2、シングルイベント効果(SEE)性能は最大62MeVcm2/mgである。
さらに、複数のLEOPOL1を並列で用いれば、負荷に流れる電流を増やすことができる。同期機能により複数の電圧レールを備えた機器パワーアップシーケンシングも容易となった。供給できる電流は最大7A、入力電圧はグランドレベルで最大12V。また、62MeVcm2/mgの環境で、6V時に5Aを供給できるという。
LEOPOL1は既に量産中で、31個入りのチューブスティックや250個入りのテープ&リール、またはサンプル用の7個入りディープスティックで供給する。
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