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1億500万画素で100fpsの高速出力、ソニーが産機向け新センサー開発グローバルシャッター搭載

ソニーセミコンダクタソリューションズが、産業機器向けの裏面照射型画素構造のグローバルシャッター搭載積層型CMOSイメージセンサー新製品「IMX927」を商品化した。「業界で初めて」(同社)有効約1億500万画素と毎秒最大100フレームの高速出力を両立した製品だ。

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 ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)は2025年9月29日、産業機器向けの裏面照射型画素構造のグローバルシャッター搭載積層型CMOSイメージセンサー新製品「IMX927」を商品化したと発表した。「業界で初めて」(同社)有効約1億500万画素と毎秒最大100フレームの高速出力を両立した製品で、認識対象や検査方式が多様化する産業機器分野のニーズに対応する。

IMX927
IMX927[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

 工場の自動化の進展によって、産業分野ではさまざまな対象物を高速かつ高画質で撮影できるビジョンカメラへのニーズが高まっている。この分野でSSSは、独自の裏面照射型の画素構造によって、高い感度と飽和容量を備えるグローバルシャッター方式CMOSイメージセンサーを展開。動体ひずみのない高精細な撮影が可能という特長から、精密部品の認識や異物検査など幅広い分野で活用が進んでいるという。

 今回のIMX927では有効約1億500万画素と多画素かつ最大100フレーム/秒(fps)の高いフレームレートを実現。これによって、測定/検査工程のさらなる時間短縮などに貢献するとしている。

105MP×100fpsを実現した独自技術

 IMX927の主な特長としては3つが挙げられる。

 まずは、SSSのグローバルシャッター技術「Pregius S」だ。SSS独自の裏面照射型画素と積層構造を採用した2.74μmの微細画素によって、有効約1億500万画素でありながら2.5型(対角39.7mm)と小型で、高い感度と飽和容量も両立した。これによって高い精度が求められる半導体やディスプレイなど精密部品の検知に加え、より大型な対象物の認識においても、動体ひずみのない、高解像度で低ノイズな撮影を可能にし、より広い分野の測定/検査工程の精度向上に寄与するマシンビジョンカメラが実現できるとしている。

 次に高効率なセンサー駆動を実現する回路構造だ。画素の読み出しやA-D変換におけるセンサー駆動を効率化した回路構造を採用し、省電力で高速なデータ処理を実現。これによって高画素かつ10bit出力時で102fpsの高速出力が可能になった。撮像データの出力までにかかる時間が短縮されることで、測定/検査工程の生産性向上を実現できるほか、3次元検査など、複数の撮像データを活用する高度な検査への応用も期待されるとしている。

 最後は、新開発のコネクター付きセラミックパッケージの採用だ。SSSは今回、「IMX927」と同時にイメージサイズやフレームレートの特性が異なる7タイプも商品化するが、これら全8タイプに対応するコネクター付きセラミックパッケージを新たに開発した。全製品が共通コネクターを持ち、ピン互換のため「カメラの組み立て作業や、カメラの仕様に合わせたセンサーの交換を従来より容易に行えるようになる」としている。また、放熱性に優れた構造で、発熱がカメラ動作にもたらす影響を抑えることで、長時間でも安定した稼働を実現できるという。

新開発のコネクター付きセラミックパッケージについて
新開発のコネクター付きセラミックパッケージについて[クリックで拡大] 出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ

 SSSは今回、最高画素(1億551万画素)のIMX927/IMX937を筆頭に、1200万画素から1億551万画素をカバーする8タイプ、計16製品をラインアップしている。IMX927は、2025年11月中旬にサンプル出荷を予定している。

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