キオクシア北上工場 第2製造棟が稼働開始 第8世代BiCS FLASH製造:2026年前半にも本格出荷
キオクシアとサンディスク、北上工場(岩手県北上市)の第2製造棟(K2棟)が稼働を始めた。第8世代となる3次元フラッシュメモリ製品などの生産を行い、2026年前半にも本格的な出荷を開始する。
AI向け需要に対応、2026年前半にも本格的な出荷を開始
キオクシアとサンディスクは2025年9月30日、北上工場(岩手県北上市)の第2製造棟(K2棟)が稼働を始めたと発表した。第8世代となる3次元フラッシュメモリ製品などの生産を行い、2026年前半にも本格的な出荷を開始する。
K2棟は、免震構造を採用することで地震などの揺れを吸収するとともに、環境面を考慮しエネルギー消費を抑えた最新の生産設備を導入した。また、AI(人工知能)など最新技術の適用範囲を拡大して生産効率を高めた。生産設備のスペース効率を高めるための工夫も行ったという。なお、2024年2月には認定特定半導体生産施設整備計画の認定を受けている。これに基づき助成金の一部がK2棟の設備投資に対して交付されることになっている。
K2棟では、AI技術の普及に伴うフラッシュメモリ需要の拡大に備え、CBA(CMOS directly Bonded to Array)技術を活用した218層の3次元フラッシュメモリなどを量産する。また、市場動向を見ながら、設備投資も継続的に行い生産能力を段階的に上げていく計画である。
北上工場を運営するキオクシア岩手の柴山耕一郎社長は「K2棟で生産する第8世代およびそれ以降のフラッシュメモリ製品は、AI市場に新たな価値を提供していくことになる」とコメントした。
また、サンディスクのフラッシュフロントエンド事業部門のシニアバイスプレジデントを務めるマイトリ―・マハジャーニ氏は、「AIの進化は産業を変革し、キャリアの在り方を変え、我々の日常生活を想像できないような形に変えていく。この中心にあるのがフラッシュメモリであり、次世代のイノベーションに必要なスピードや効率性、拡張性を実現する」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
GaNで半導体製造の欠陥検出 キオクシア岩手で検証へ
名古屋大学発スタートアップのPhoto electron Soul(PeS)と名古屋大学の天野・本田研究室は、共同開発したGaN系半導体フォトカソード技術を用いた検査・計測システムをキオクシア岩手に導入し、半導体デバイス製造工程での欠陥検出などについて評価を行うと発表した。キオクシアの四半期業績、前期比では減収増益に
本稿では、キオクシアホールディングスの2025会計年度(2026年3月期)第1四半期(2025年4月〜6月期)を紹介する。25年2Qの半導体企業ランキング、日本勢トップは13位のソニー
Semiconductor Intelligenceによると、2025年第2四半期の半導体市場ランキングはトップがNVIDIA、2位がSamsung Electronics、3位がSK hynixだった。日本勢トップは13位のソニーだ。容量5TBで帯域65GB/秒、キオクシアのフラッシュメモリモジュール
キオクシアは、容量が5Tバイトで帯域が64Gバイト/秒の「フラッシュメモリモジュール」を試作した。ポスト5G/6G(第5/6世代移動通信)MEC(モバイルエッジコンピューティング)サーバなどの用途に向ける。第9世代BiCS FLASH適用512Gb TLC製品、キオクシアがサンプル出荷
キオクシアは、第9世代BiCS FLASH 3次元フラッシュメモリ技術を適用した「512GビットTLC製品」を開発、サンプル出荷を始めた。2025年度中に量産を始める。キオクシアのNAND戦略 「BiCS FLASH」はどう進化するのか
キオクシアホールディングスの副社長執行役員である太田裕雄氏が、同社の主力製品である「BiCS FLASH」のロードマップやキーテクノロジー、開発中の新メモリソリューションなどについて語った。