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UWBでデジタルキーや置き去り防止を強化 大容量メモリの車載SoC、Qorvo:2026年以降の自動車に搭載へ(2/2 ページ)
超広帯域(UWB)無線通信技術に注力するQorvoは、2025年に車載向けと民生/産業機器向けの2種類のUWB SoC(System on Chip)を発表した。車載グレードの「QPF5100Q」は256KバイトのSRAMと2Mバイトのフラッシュメモリを搭載し、置き去り防止などの用途にもワンチップで対応できる。
シリーズ初のSoCは大容量メモリでさまざまな用途に対応
Qorvoは、2014年からUWB製品を展開してきた。2014年には第1世代、2019年には第2世代のトランシーバーICを発表した。
そして2025年、シリーズ初のSoCである第3世代品として、車載グレードの「QPF5100Q」と民生/産業機器向けの「QM35825」を発表し、量産を開始した。両製品はUWBの優先的使用が指定されているチャネル9(中心周波数:7987.2MHz、周波数帯域幅:499.2MHz)に対応。いずれも送信機1つに対して受信機を2つ備え、測距だけでなく測位も行うAoA(Arrived of Angle)が可能だ。
QPF5100Qには、256KバイトのSRAMと2Mバイトのフラッシュメモリを搭載。大久保氏は「メモリ容量は他社より大きめだ。子どもの置き去り防止などの用途にも外付けメモリなしで対応できる」と説明する。早ければ2026年末発売の自動車に搭載される見込みだという。
QM35825は、RFフロントエンド回路も備えている。
大久保氏は「パートナー企業の中には、UWBを自社工場に取り入れようとしているところもある」とし、「スマートファクトリー化が推進される中、UWBの採用はさらに広がっていくのではないか」と語った。
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