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GlobalFoundries、TSMCのGaN技術ライセンスを取得26年に米国で生産開始

GlobalFoundriesが、TSMCと650Vおよび80Vの窒化ガリウム(GaN)技術に関するライセンスの供与を受ける契約を締結した。GFは米国の工場に技術を導入。開発は2026年初頭に開始し、同年後半には生産を開始する予定だ。

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 GlobalFoundries(GF)は2025年11月10日(米国時間)、TSMCと650Vおよび80Vの窒化ガリウム(GaN)技術に関するライセンスの供与を受ける契約を締結したと発表した。GFは「この提携によってデータセンター、産業用、自動車用電源アプリケーション向けの次世代GaN製品開発が加速され、グローバルな顧客基盤に向けた米国拠点のGaN生産能力が提供される」とコメントしている。

 TSMCは、2027年7月までにGaNファウンドリー事業から撤退すると決定している。同社はこの決定について「市場ダイナミクスに基づくもので、当社の長期事業戦略に沿ったものだ」と説明。業界観測筋は、この要因として中国のGaNファブからの価格圧力が高まっていことなどを挙げている。これを受けて2025年7月にNavitas SemiconductorがPSMCへの移行計画を発表するなど、TSMCに製造を委託していた各社が対応を進めている。

 日本ではロームが650V耐圧品の製造をTSMCに委託していて、今後の対応を検討中だ。2025年11月6日に開催した決算説明会では今後の方針について、TSMC傘下のVanguard International Semiconductorへの委託や社内移管、協業などの可能性を検討していると説明していた。

米国の施設で、26年後半には生産を開始へ

 GFは電気自動車(EV)、データセンター、再生可能エネルギーシステム、急速充電器など向けの高性能650Vおよび80V技術を含む、包括的なGaN製品群を開発中で、「GFのGaNソリューションは過酷な環境向けに設計され、プロセス開発、デバイス性能、アプリケーション統合に及ぶ包括的なGaN信頼性アプローチを採用している」と説明している。

 GFは今回の契約によってTSMCからライセンス供与されたGaN技術の認定を、米国バーモント州バーリントンの製造施設で実施。同施設の高電圧GaN-on-シリコン技術における専門知識を活用し、顧客向けの量産を進めていく方針だ。開発は2026年初頭に開始し、同年後半には生産を開始する予定だ。

 GFのパワー事業部門シニアバイスプレジデントであるTea Williams氏は「実績あるGaN技術の導入によって、次世代GaNチップの開発を加速させ、データセンターから自動車、工場現場に至るミッションクリティカルなアプリケーションにおける重要な電力ギャップを解決する差別化されたソリューションを提供する」とコメントしている。

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