5800円の映画を見て「代替されない価値」を考える:電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記
「勝ち目のないコスト競争をするよりも思い切った料金設定で他にないサービスを提供しよう」ということなのだと思いますが、「コスパ」が重視される世の中でこれを考えて実行した人はすごいなあと思います。
この記事は、2025年11月17日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
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5800円の映画を見て「代替されない価値」を考える
1本の映画を見るのに5800円。この料金設定、どうでしょうか。
先日、「109シネマズプレミアム新宿」に行ってきました。「プレミアム」という名前の通り、一般的な映画館よりも上質な設備やサービスを売りにした映画館です。2023年4月の開業時に話題になっていたので、覚えているという人も多いかもしれません。
今回初めて行ってきたのですが、驚きの連続でした。まず、上映開始の1時間前から利用できるラウンジがあり、ポップコーンとソフトドリンクのサービスが利用できます。私は外出する際に時間がギリギリになってしまうことが多いのですが、せっかくだからと早めに到着し、いつもよりゆったりした気持ちで上映に臨めた気がします。
シアター内の座席は「全席プレミアムシート」とうたっていて、サイドテーブルとリクライニング機能付きのふかふかのシートでした。隣の席と間隔があって仕切りもあるので、他の人の動きが視界に入ると気になってしまう私にはありがたかったです。映画館あるあるの「このドリンクホルダーは私が使っていいのか、それとも隣の人のものなのか……」という小さな葛藤ももちろんありません。
さらに、私が利用したシアターは、正面のスクリーンに加えて左右の壁面にも映像が投影される3面ワイドビューシアター「ScreenX」でした。今回見に行ったのは好きなアイドルのドキュメンタリー映画で、ライブの映像も多かったのですが、ScreenXのおかげで正面のスクリーンには映っていないメンバーの表情や動きをばっちり見られました。音響は全シアター坂本龍一氏の監修だそうで、オーディオに詳しくない私でも明らかにきれいな音だと感じましたし、ライブで聞いた歌声やその場の空気感を思い出せました。
料金設定は基本的に4500円の「CLASS A」と6500円の「CLASS S」の2種類。CLASS Sは専用のラウンジが別途設けられているほか、シアターの座席もさらに広くてしっかりしたものになるようです。私が見た作品は特別料金だったので、CLASS Aで5800円でした。CLASS Sだと7800円になるそうです。
2時間に満たない1本の映画で5800円というのは、正直かなり高価に感じます。一般的な映画館は2000円が目安ですし、動画配信サービスなら月々数百円で大量の映画やドラマが見放題なので、比べるとかなりの違いです。
では、「料金が高いから109シネマズプレミアム新宿にはもう行かないのか」というと、そうではないと思いました。頻繁に通うことは難しいですが、せっかく映画を見るならむしろ他の映画館よりもここで見たいです。
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