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世界半導体市場、2029年に1兆米ドル規模へ 製造装置も成長継続:メモリはスーパーサイクル突入(2/2 ページ)
SEMIジャパンは2025年12月16日、同年12月17〜19日にかけて開催される「SEMICON Japan 2025」(東京ビッグサイト)の記者会見を実施した。その際に半導体市況について説明し、世界半導体市場は2029年に1兆米ドルを超える見込みであることなどを語った。
日本の前工程投資は180億米ドル規模に成長予測
日本国内における前工程への投資は、2026年から2030年にかけて大きく伸び、180億米ドル規模になると予測。特にロジック関連が全体の50%程度を占めるまで成長する見込みだという。
NANDフラッシュは全体の25%程度で変わらず推移し、DRAMも回復が見込まれるとする。一方、アナログやパワー半導体は、中国との競争や、パワー半導体における300mmウエハーへの移行などの影響を受け、投資の割合が減少すると予測した。
メモリは2030年ごろまで好調なスーパーサイクルに突入
昨今のメモリ不足について、Tseng氏は「AIサーバに多くのHBMが供給されることで、コンシューマー向けメモリや、スタンダードなDRAMの供給に影響が及んでいる。現在の逼迫した状況は、2026年になっても続くだろう」と語る。
「通常、DRAMやNANDフラッシュは4年ごとに好調、不調を繰り返すようなサイクルだった。しかしAIによる需要増で、好調が続くスーパーサイクルに入ったと見ている。2030年ごろまでこの勢いが続くのではないだろうか」(Tseng氏)
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