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ASRAとimec、車載用チップレットの仕様策定で連携:26年半ばまでに仕様を公開
自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)は、ベルギーのimecと戦略的連携に合意した。合意に基づき2026年半ばまでには、自動車向けチップレットのアーキテクチャについて共通仕様を共同で策定し、その内容を公開する予定だ。
業界標準化で自動車用チップレットのエコシステム実現へ
自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)は2025年12月、ベルギーのimecと戦略的連携に合意したと発表した。合意に基づき2026年半ばまでに、自動車向けチップレットのアーキテクチャについて共通仕様を共同で策定し、その内容を公開する予定だ。
ASRAは、チップレット技術を適用した高性能な自動車用SoC(System on Chip)の研究開発を目的に、2023年12月に設立された。トヨタ自動車や日産自動車、本田技研工業などの自動車メーカー、デンソー、Astemoなどの電装部品メーカー、ルネサス エレクトロニクスやソシオネクストといった半導体関連企業らが組合員となっている。
ASRAは今後、imecが設立したアライアンス組織である「自動車向けチップレットプログラム(ACP)」を通じて必要な調査を行い、アーキテクチャの共通仕様を策定していく。
ASRAの専務理事を務める川原伸章氏は「今回の協業はimecのACPパートナーとASRAメンバーのいずれにも利益をもたらし、将来の業界標準化を支援するものだ。将来的に自動車用チップレットのエコシステム実現につながると確信している」とコメントした。
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