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ディープフェイクの「ニセCEO」を看破 AI悪用に対抗する富士通の独自技術:モノづくり総合版メルマガ 編集後記
今は画像や文章も「AIっぽいな」と分かることが多いですが、この先もっと性能が上がっていくと便利さも怖いことも増えそうです。
この記事は、2025年12月18日に発行した「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたコラムの転載です。
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ディープフェイクの「ニセCEO」を看破 AI悪用に対抗する富士通の独自技術
先日、富士通の技術/研究戦略説明会に参加しました。最新技術のデモ展示も行われていて、一部の内容は既に以下の記事でご紹介しました。
これに加えて、もう1つ印象的だったデモ展示がありました。生成AIを利用したなりすましや詐欺を検知する技術です。
AI技術が日に日に発展する昨今、それを利用した犯罪も巧妙化しています。2024年には香港で、詐欺グループがディープフェイク技術を用いてとある企業の役員になりすまし、ビデオ会議を通じてその企業の社員に約37億円を送金させる事件が発生しました。
富士通はこうしたディープフェイクやAI生成の画像/書類を検知する技術を開発しています。デモでは、富士通の説明員が実際にビデオ会議で同社の社長兼CEOである時田隆仁氏になりすます様子を紹介。リアルタイムに時田氏の顔が合成され、顔の向きを変えても自然に追従します。説明員は「顔のなりすましだけで信じるかといえば微妙かもしれないが、これに加えてAIで生成した請求書のような画像も送られると、もはや人間の目で見破るのは難しい」と話していました。
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