太陽誘電26年度3Q、円安で50億円の営業外収益 通期も上方修正:前四半期比で減収増益(2/2 ページ)
太陽誘電は2026年2月6日、2026年3月期第3四半期(2025年10月1日〜12月31日)の決算を発表した。売上高は885億円で前四半期比4.6%減、営業利益は75億円で同27.4%増、純利益は71億円で同10.4%増だった。ドル/円為替の円安進行などの影響により増益を達成したとともに、同年通期の業績予想も上方修正した。
ドル/円為替の円安受け通期業績を上方修正
2026年3月期通期の業績予想は、2025年11月発表から上方修正し、売上高3540億円、営業利益210億円、純利益130億円とした。ドル/円為替の円安進行を受けて売上高、営業利益が押し上げられるとの予測や、営業外収益として為替差益を計上する見込みであることが理由だという。製品別の売上高予想は、コンデンサー2515億円、インダクター635億円、複合デバイス145億円、その他製品245億円としている。
なお、2026年3月期第3四半期の会計期間には、ドル/円為替の円安進行に伴い、営業差益50億3000万円を営業外収益に計上したという。同年の中間連結会計期間に為替差損8億5100万円を計上していたこととあわせ、同年第3四半期までの連結累計期間においては、為替差益41億7900万円を営業外収益に計上している。
2026年3月期第4四半期の売上高予想は、コンデンサーが同年第3四半期比3%増、インダクターが同13%減、複合デバイスが同11%減、その他製品が同増減なし、合計で同1%減となった。
コンデンサーはスマートフォンを中心とした通信機器向けなどで減少するものの、サーバなどの情報インフラや、産業機器向けが拡大し、増収が見込めるという。インダクターはスマートフォンの季節性需要の影響をより大きく受けることから、減収見込みだとしている。また、2026年3月期第4四半期には、通信用デバイスの構造改革の追加施策によって、事業構造改善費用として10億円の特別損失が発生する見込みだとしている。
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