レゾナック25年度、AI追い風に半導体材料が47%増益:企業価値は「まだ割安」も(2/2 ページ)
レゾナックは2026年2月13日、2025年12月期通期の決算を発表した。半導体・電子材料領域は大幅に増収し営業利益も四半期単位、年単位ともに過去最高益を達成した一方、ほか領域の減収により全体の売上高は1兆3471億円で前年度比3.2%減、営業利益は半導体・電子材料領域のけん引により1091億円で同18.4%増になった。
2026年12月期は増益予想 クラサスケミカルは分社化
2026年12月期の業績予想は、売上高が1兆3100億円で2025年12月期比2.8%減、営業利益が1400億円で同28.3%増、純利益が770億円で同165.2%増とした。事業譲渡などの影響で減収が予想されるが、半導体・電子材料でAI向け材料の成長により増収増益、ケミカルも黒鉛電極の販売数量増や合理化策の顕在化によりグラファイト事業の黒字化を見込むなどで増益を予想している。
なお、クラサスケミカルは2026年内のパーシャルスピンオフ(分社化)を予定する。業績予想上は年間を通じて連結する前提で織り込んでいるが、分社化後は非継続事業になる見込みだという。
「レゾナックの企業価値は割安といえる」
レゾナック取締役常務執行役員で最高財務責任者(CFO)を務める染宮秀樹氏は、2022年に昭和電工として実質統合を果たしてからの約4年間を振り返り「赤字が慢性化していたモビリティー事業など、業績の悪い事業に対し構造改革を断行し、黒字化を実現してきた。同時に成長分野の半導体・電子材料は、ダウンサイクルの時期も必要な成長投資にキャッシュを充ててきた。レゾナックが今、AI半導体成長の波に乗れているのは、先を見据えて準備してきたからだ」と語る。
収益性も半導体・電子材料の成長により大きく改善していると説明。今後は同セグメントの売上比率を全体の50%以上に引き上げ、EBITDAマージン20%の安定的達成を目指すとした。
半導体・電子材料のけん引により、EV/EBITDA倍率※)は11倍台に切りあがっているが、染宮氏は「レゾナックの株価水準は、まだ上がりきったとは考えていない」と述べる。
※EV/EBITDA倍率:企業価値(EV)とEBITDAの比率を表す指標。企業の時価総額に対し、買収時に何年で投資額を回収できるかを示す。
「米国でベンチマークとしている半導体材料メーカー2社の業績と比べて、レゾナック半導体・電子材料セグメントの業績もそん色ないレベルに上がっている。対してEV/EBITDA倍率は低く、同セグメントだけでもベンチマーク2社と同等に評価されるとすれば、レゾナックの全社的な価値は割安といえる。このようなメーカーに匹敵する企業価値を獲得するために、半導体・電子材料を中心とした事業ポートフォリオの確立を進める」(染谷氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
レゾナック主導「JOINT2」が大詰め 26年は140mm角基板に集中
レゾナックは「SEMICON Japan 2025」に出展し、実施中のコンソーシアム「JOINT2」「JOINT3」などを紹介した。2026年7月に終了するJOINT2について、3つの事業項目の進捗具合を語った。
レゾナック、黒鉛電極事業ドイツ拠点で人員削減 約3分の2が対象
レゾナックは2025年12月1日、黒鉛電極事業のドイツ拠点「Resonac Graphite Germany」で人員削減を行うことを発表した。事業環境の悪化に伴う合理化策の一環で、従業員65人のうち41人が対象になる。
レゾナック25年Q3決算は91%減益、半導体は過去最高益も
レゾナックは2025年11月13日、2025年12月期第3四半期の決算を発表した。半導体・電子材料セグメントが増収増益するも、他4セグメントが減収減益だったことから、連結業績は減収増益になった。
NEDOの手を離れ本格ビジネスへ レゾナックが27社参画の「JOINT3」設立
レゾナックは2025年9月3日、都内で記者会見を開催し、パネルレベル有機インターポーザーの開発推進を目的としたコンソーシアム「JOINT3」を発表した。国内外の27社が参画し、2.xDパッケージのフルインテグレーションまでを見据えて活動する。
レゾナック、半導体好調も黒鉛電極不振で69%減益
レゾナック・ホールディングスは2025年12月期第1四半期(2025年1〜3月期)の決算を発表した。半導体材料は好調だったものの、ケミカル事業では黒鉛電極の市況悪化に伴い赤字が拡大。純利益は前年同期比69%減となる88億円だった。



