NORフラッシュにもAI需要の波、迫る供給危機:30%の値上げの可能性も(2/2 ページ)
DRAMとNAND型フラッシュメモリの供給不足に続いて、もう1つのメモリ分野であるNORフラッシュメモリでも供給危機が発生しつつあり、値上げの可能性も報じられている。一方でAIアプリケーションがかつてない高密度を要求することから、3D構造化への期待も高まっている。
期待が高まる3D NORフラッシュ
3D NORフラッシュは、メモリセルを垂直にスタックすることで、2D NORのプレーナ型アーキテクチャに特有のスケーラビリティの問題を克服する。垂直スタックは、フットプリントを大きくせずにストレージを高密度化でき、eMMC(embedded Multi Media Card)やNANDのような複数のストレージデバイスの必要性を低減する。また3D NORは、レイテンシを短縮し、ブート性能を向上させるので、ほぼ瞬時に保存データにアクセスする必要があるアプリケーション向けには非常に重要だ。
2D NORの最大密度が512Mビットであるのに対し、3D NORフラッシュは密度を8倍に向上させ、単一のダイで512Mビットを達成する。また、200MHzのDTR(Double Transfer Rate)を採用し、大量データへの高速アクセスが必要なAIアプリケーション向けに、高速データ伝送を提供する。
しかし、3D NORフラッシュは新時代の大容量組み込みストレージとして期待される一方で、幅広い規模での実用化はまだ何年も先になる見込みだ。特に現在では、大手メモリメーカーがNORフラッシュ技術への投資を行っていないということもある。
大手サプライヤーであるMacronixは、2026年後半には3D NORフラッシュデバイスのサンプル出荷を開始し、2027年には本格量産を予定しているという。業界はそれまでは、2D NORフラッシュの供給危機に対応しなければならない。NORフラッシュは、DRAMやNANDと比べると規模が小さい分野だが、AI設計における需要の急増や、HBM需要の増大による生産能力の大規模な再編などを受け、注目すべきメモリ技術の1つとなっている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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