検索
連載

AI/HPCシステムの死命を制する消費電力・放熱設計(前編)福田昭のデバイス通信(511) TSMCが解説する最新のパッケージング技術(8)(2/2 ページ)

「IEDM 2025」におけるTSMCの講演内容を紹介するシリーズ。「(3)Thermal dissipation design(消費電力および放熱の設計)」を前後編に分けて解説する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

熱抵抗の値が温度上昇を左右

 次にSoC(GPUあるいはAIプロセッサ)とHBMをインターポーザー(中間基板)に搭載するタイプの先進パッケージ(CoWoSなど)で、SoCとHBMの発熱をどのように逃がすかを考える。

 熱の伝わりにくさを定量的に表記する指標は通常、「熱抵抗(℃/W)」である。消費電力(W)当たりの温度上昇(℃)を意味する。単位面積当たりの熱抵抗(平方mm・℃/W)も良く使われる。

 放熱設計では例えばCoWoSを構成する部品・材料の熱抵抗と消費電力から、温度上昇を見積もる。見積もりには、発熱源であるCoWoSのシリコンが有する熱抵抗とシリコンの消費電力、シリコン表面と金属リッド(フタ)をつなぐ熱伝導材料(TIM:Thermal Interface Material)の熱抵抗(TIM1の熱抵抗)、金属リッドの熱抵抗、金属リッドと冷却器(クーラー)をつなぐTIM2の熱抵抗、冷却器の熱抵抗を使う。

 放熱設計の基本は、シリコンのpn接合温度を一定値(標準的には70℃)以下に抑えることだ。冷却器の表面、すなわち周囲環境の温度(環境温度)を25℃と仮定すると、許容可能な温度差(温度上昇)は45℃となる。実際には環境温度を20℃以下と低くし、許容できる温度上昇を50℃以上に拡大することが少なくない。

先進パッケージ(CoWoS)を冷却する機構と、構成部品の熱抵抗
先進パッケージ(CoWoS)を冷却する機構と、構成部品の熱抵抗[クリックで拡大] 出所:TSMC(IEDM 2025のショートコース(番号SC1-5)で公表された講演スライドから)

(後編に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る