経産省、Rapidusに6315億円追加支援 「国益のため必ず成功」:支援額は総額2兆3540億円に(2/2 ページ)
Rapidusは2026年4月11日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から2つのプロジェクトで2026年度の計画と予算が承認されたことを発表した。支援上限額は前工程が5141億円で後工程が1174億円、総額6315億円になる。同日に北海道千歳市で実施された解析センター、Rapidus Chiplet Solutions(RCS)の開所式に参加した赤澤亮正経済産業大臣も、本件に言及した。
「トランプ関税も中東情勢もあるが、本当の戦いはここにある」
2026年4月11日には、Rapidusの解析センターおよびRCSが北海道千歳市に開所した。同日の開所式には赤澤亮正経済産業大臣が主賓として参加し、祝辞の中で2026年度の計画、予算承認にも触れた。
赤澤氏は「政府はRapidusに対し、2026年2月に情報処理推進機構(IPA)を通じて約1000億円を出資した。同時に民間からは32社が約1676億円を出資していて、Rapidusプロジェクトへの期待が高まっていると認識している」とする。そのうえで同年3月、外部有識者による技術開発に関する審査を行い、「十分に進捗している」と判断されたことを受け、2026年度の計画、予算承認に至ったと説明した。
「今回の承認によって、Rapidusプロジェクトへの研究開発支援額は総額約2兆3540億円になる。引き続き外部有識者の意見も踏まえながら、プロジェクト成功に向けて必要な支援は惜しまないつもりだ」(赤澤氏)
また「半導体産業の復活には、今後拡大するフィジカルAI時代に向けて、半導体を使用する需要側の取り組みも強化しなければならない」(赤澤氏)とし、2026年3月に採択したキヤノンの画像処理用半導体設計プロジェクトに加え、富士通、日本IBMによるAI関連半導体設計に関するプロジェクトも採択したと説明。これらのプロジェクトでは、Rapidusの製造技術を活用する想定だ。
技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)とimecによる「光電融合を加速する半導体パッケージング技術開発と先端後工程拠点形成」の採択も発表。同プロジェクトは千歳科学技術大学が新たに構築する後工程のパイロットラインを活用し、技術開発を行う想定で「この千歳の地で、(半導体の)研究開発から市場化に至るまでのエコシステムが構築されること、地元自治体と民間企業が連携した産業クラスタが形成されていくことを期待する」(赤澤氏)と述べた。
「Rapidusプロジェクトは政府が進める成長投資の要で、国益のために必ず成功させなければならない。トランプ関税も中東情勢も乗り越えねばならないが、本当の戦いはここにある。豊かな日本をこれからも続けていくために、絶対に必要なものだと思っていて、経済産業省としても引き続きスピード感を持って取り組む覚悟だ。日本の半導体産業の再興に向けた成功とともに、誇りをもってプロジェクトに取り組んでもらえることを心から期待する」(赤澤氏)
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