シャープ、26年度中のAIサーバ事業化目指す 鴻海と連携で構造変革:AI融合で新規事業を創出(2/2 ページ)
シャープは2026年6月9日、2026年度の事業説明会を開催した。同社社長執行役員CEOを務める河村哲治氏は「再成長に向けた取り組み」と題し、AIを活用した事業構造の変革や、AIサーバをはじめとした新規事業の計画を発表した。
「計画前倒しで26年度中のAIサーバ事業化目指す」
新規事業としては「AIインフラ」「次世代通信」「ロボティクス/インダストリーDX」「モビリティ」を挙げる。このうちAIインフラ領域では、AIサーバ事業に参入する予定だ。「2025-2027年度中期経営計画」では2028年度以降の事業化予定としていたが「できるだけ前倒しして早期の事業化を目指す」(河村氏)という。
「AIサーバ市場では推論用途が急拡大しているのに加え、ハイパースケーラーだけでなく、多様なプレイヤーが投資を拡大している。需給がひっ迫しているAIサーバの確実な供給やユーザーに合わせたスペック提案、課題解決のための総合提案、きめ細かな保守サービスのニーズが高まるだろう。AIサーバの調達/製造能力を持つ鴻海との連携を生かすことで、大きな事業機会を獲得できる」(河村氏)
事業ロードマップとして、河村氏は「まずは日本国内でのAIサーバ販売からはじめ、シャープが日本全国に持つネットワークを生かして保守や運用の体制を構築する。その後はAIサーバの構築/導入支援にも領域を広げ、将来的にはフィジカルAIなど、エッジからデータセンターまでのAI基盤と課題解決ソリューションを提供するインフラプラットフォームまで手掛けたい。できれば2026年度早々に日本国内でのAIサーバ販売を開始したい」とした。
次世代通信領域では、自動運転の普及などで地球上どこでもAIが活用される「AI anywhere」社会の実現に向けて、衛星通信の事業化を目指す。まずは世界最小レベルの衛星通信端末を強みに、2027年度中に事業参入を果たし、その後船舶や建設などニーズの大きい特定産業、モビリティやドローンなどへと領域を拡大する予定だ。宇宙用太陽電池事業も、2027年度中の新規大型案件獲得に向けて推進中だとした。
インダストリーDX領域はシャープの映像や音響、AIを活用した制御、シミュレーション技術などを強みに、産業の課題解決に貢献できるとする。「さまざまな企業と認証実験を進めていて、これから事業を大きく進めていきたい」(河村氏)という。モビリティ領域では電気自動車(EV)事業への参入計画を精査中だとしている。
河村氏は「まだ個別に事業規模を出せる段階ではないが、2030年頃には新規事業全体で年間2000〜3000億円程度の規模にしたい。AIの融合で既存事業の強化と事業構造の変革を進め、成長をけん引する新規事業の立ち上げを図り、成長ステージの歩みを進める」と述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
シャープ新社長は海外事業出身 鴻海と連携で「新たな成長ステージへ」
シャープは2026年3月31日、4月1日付で社長に就任する河村哲治氏の就任記者会見を開催。社長交代の背景や今後目指す企業価値の最大化に向けた戦略などを語った。
シャープ亀山第2工場、鴻海への売却が不成立に
5G NTN対応 海上でも山間部でもつながるLEO衛星通信端末、シャープ
シャープは「CEATEC 2025」で、5G 非地上系ネットワーク(NTN)通信に対応した低軌道(LEO)衛星通信ユーザー端末の試作機を紹介した。LEO衛星通信は現在各社が独自の通信方式で開発しているが、5G NTN通信を利用することで標準化を進められる。
アオイ電子がシャープ三重第2工場も買収、先端半導体パッケージ強化
アオイ電子(本社:香川県高松市)は、シャープ三重事業所第2工場(三重県多気町)と一部土地を買収する。アオイ電子は既に同事業所の第1工場も取得していて、先端半導体パッケージ事業をはじめとする新規事業への対応力を強化する方針。買収額は非公表。2027年度の本格稼働を目指す。
シャープ亀山工場に後工程自働化の検証ライン構築、SATAS
半導体後工程自働化・標準化技術研究組合(SATAS)は、後工程自働化の研究開発を行うパイロットラインサイトとして「シャープ亀山工場」(三重県亀山市)を正式に選択し、工場内の環境整備を始めた。パイロットラインは2027年度中に稼働予定。





