連載
「国際メモリワークショップ(IMW)」が始まるまで:福田昭のストレージ通信(317) 国際メモリワークショップ(IMW)の50年(1)(2/2 ページ)
半導体メモリ技術を専門とする国際学会「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」が2026年5月にベルギー・ルーベンで開催された。ことし50周年を迎える学会である。本シリーズでは、imecのディレクターであるJan Van Houdt氏による、50周年記念講演の内容をお届けする。
不揮発性メモリの二大記憶原理が1967年に相次いで発見
一方で不揮発性メモリに関する重要な発見が1967年に相次いだ。不揮発性メモリの記憶方式には大別すると「浮遊ゲート(フローティングゲート)方式」と「電荷捕獲(チャージトラップ)方式」がある。このことは約60年後の現在でも変わっていない。この2つの方式によるメモリが相次いで試作されたのが、1967年だった。前者はベル電話研究所、後者はスペリーの業績である。
「浮遊ゲート(フローティングゲート)方式」の不揮発性メモリセル(絶縁ゲートFET)断面構造[クリックで拡大] 出所:D. Kahng and S. M. Sze、A Floating Gate and Its Application, The Bell System Technical Journal, July-August 1967
「電荷捕獲(チャージトラップ)方式」のキャパシタ構造。金属ゲートと半導体の間に、2種類の絶縁膜(窒化膜と酸化膜)をレイアウトした[クリックで拡大] 出所:H. A. R. Wegener, Investigation of New Concepts of Adaptive Devices, Interim Scientific Report NAS12-570, Sperry Rand Research Center, September 1968
1974年には、SISCのランプセッション(夕方〜夜の討論セッション)で「電荷捕獲(チャージトラップ)方式」の不揮発性メモリ技術が採り上げられる。このランプセッションで半導体の研究開発コミュニティーでは、不揮発性メモリを専門に扱う国際学会の必要性が認識された。
そして1976年、サファイア半導体(Silicon On Sapphire)技術の専門学会「SOS Technology Workshop」の主要会員が、半導体不揮発性メモリ専門の学会設立へ動いた。これが「不揮発性メモリワークショップ(NVSMW)」となる。初回のNVSMWは同年8月に米国コロラド州ベイル(Vail)で開催された。
(次回に続く)
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Micronの業績、利益額は3四半期連続、利益率は2四半期連続で過去最高を更新
Micron Technologyの2026会計年度第3四半期(2026年3月〜2026年5月期)の業績を紹介する。売上高営業利益率は80.4%に達した他、全ての顧客分野で売り上げが前年同期の3倍を超えた。
キオクシアの2026年3月期決算、8年ぶりに営業利益が過去最高を更新
今回は、キオクシアホールディングスの2025会計年度(2026年3月期)の通年業績を紹介する。
キオクシアの四半期売上高、2期連続で過去最高額を更新
今回は、キオクシアホールディングスの2025会計年度(2026年3月期)第4四半期(2026年1月〜3月期)の業績を紹介する。
「スーパーサイクルに入る」とキオクシア、変動の谷も小さく
キオクシアホールディングスは2026〜2028年度の3年間で年平均約4700億円の設備投資を実施する方針を示した。また同社副社長執行役員 財務統括責任者(CFO)の河村芳彦氏は今後の成長について「スーパーサイクルに入っていくと考えられる」と述べ、同社の事業構造が、安定的で高収益な成長を実現できる形へと大きく変化しているとの認識を示した。
キオクシアが第10世代BiCS FLASHで332層を選んだ理由
キオクシアホールディングスのメモリ事業部長である井上敦史氏が、第10世代「BiCS FLASH」の開発状況や主要性能、技術的な狙いなどについて語った。
Samsungの半導体四半期業績、過去最高の売上高と営業利益をさらに更新
今回はSamsung Electronicの2026年度第1四半期(2026年1月〜3月期)の業績を紹介する。