多様な物体を把持できるロボットハンド開発、金沢大:独自機構でグリッパー切り替え
金沢大学は、単一モーターで複数のグリッパーを切り替えることができる「ロボットハンド」を開発した。1つのロボットハンドで多様な物体を把持できることから、軽量化や低コスト化が可能となる。このロボットハンドはさまざまな用途のロボットに適応できる。
家庭用ロボットや介護支援ロボット、移動ロボットなどにも適応
金沢大学理工研究域フロンティア工学系の西村斉寛助教、渡辺哲陽教授、自然科学研究科フロンティア工学専攻博士前期課程2年の大勝穂乃氏らによる研究グループは2026年8月、単一モーターで複数のグリッパーを切り替えることができる「ロボットハンド」を開発したと発表した。1つのロボットハンドで多様な物体を把持できることから、軽量化や低コスト化が可能となる。このロボットハンドはさまざまな用途のロボットに適応できる。
工場や物流などで用いられるロボットは、形状や重さ、硬さなどが異なる物体に合わせてハンドリングする必要がある。これに対応できるロボットハンドを実現するには、多数のモーターや複雑な制御システムが必要となるため、コスト高や制御システムの複雑さが課題となっていた。
研究グループは今回、複数種類のグリッパーを1つのロボットハンドに搭載し、目的に応じたグリッパーへ単一モーターで切り替えられるロボットハンドを開発した。これを実現するため、磁気結合と重力を利用してモーターのトルク伝達経路を切り替える「MaGDri(Magnetic and Gravity-based Driving)機構」を導入した。これにより、別途アクチュエーターを追加したり、複雑な制御を行ったりしなくとも、複数のグリッパーを切り替えることができ、目的に応じた把持機能を比較的容易に実現することが可能となった。
実験では、2種類のグリッパーを備えたロボットハンドおよび、5種類のグリッパーを備えたロボットハンドを用意し、性能を検証した。この結果、グリッパーの切り替え時間は平均0.41秒で、高い再現性と耐久性を備えていることが分かった。しかも、異なる形状の物体を、適切なグリッパーで把持できることや、複数物体を順次把持し搬送できることも確認した。
研究グループによれば、今回の研究成果は産業用ロボットだけでなく、家庭用ロボット、介護支援ロボット、移動ロボット、災害対応ロボットなど、さまざまな用途の製品に導入できるという。
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