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ローム、第5世代SiCの狙いと車載モジュール改良の舞台裏:「プレーナー」に回帰した理由は?(2/2 ページ)

電気自動車(EV)市場の停滞で一時逆風を受けた炭化ケイ素(SiC)市場だが、ロームは次の成長を見据えて開発の手を緩めていない。

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改良版車載SiCモジュールも公開、車載顧客の要望を反映

 車載向けでは、SiCパワーモジュール「TRCDRIVE pack」の改良版「Type 2」を展示した。従来のType 1ではSmallとLargeの2サイズだったが、Type 2ではMediumを加えた3サイズ(Small、Medium、Large)をそろえ、第4世代、第5世代のSiC MOSFETに対応する。

SiCパワーモジュール「TRCDRIVE pack Type 2」
車載向けSiCパワーモジュール「TRCDRIVE pack Type 2」。Small、Medium、Largeの3サイズを展開する[クリックで拡大]

 Type 2では、車載顧客からの要望を反映し、放熱構造や実装性を中心に改良した。Type 1ではグリスなどのTIM(Thermal Interface Material)を介してヒートシンクに取り付ける構造だったが、Type 2では焼結接合に対応。これに伴い、モジュール裏面をCu(銅)から銀(Ag)めっき仕様に変更した。さらに端子高さを見直し、従来は沿面距離を確保するためヒートシンク側に必要だった段差を不要にした。フラットなヒートシンクを使えるようにすることで、顧客側での実装性を高めた。

「TRCDRIVE pack Type 1」と「Type 2」の比較
「TRCDRIVE pack Type 1」と「Type 2」の比較。Type 2では放熱構造や実装性などを改良した[クリックで拡大]

 端子構造にも顧客の声を反映した。AC側の端子は「1つにまとめてほしいという声もあった」(担当者)ことから、従来の2本から1本に集約。ローサイドMOSFETのドレインセンス端子も新たに追加した。従来はハイサイド側のソースセンス端子を利用してローサイド側をモニターしていたため、内部配線の抵抗による影響が測定値に加わっていた。Type 2ではローサイド側に専用のドレインセンス端子を設け、MOSFETにより近い位置で電圧を検出できるようにした。

 信号端子の位置精度も従来の±0.35mmから±0.25mmへ改善。その他、最大接合温度もType 1の175℃から200℃へ引き上げている(200℃での動作は製品寿命中で最大100時間)

「TRCDRIVE pack Type 2」の特徴
「TRCDRIVE pack Type 2」の特徴[クリックで拡大]

 ロームのSiC事業は足元でも堅調だ。2026年度第1四半期(2026年4〜6月)のSiC事業売上高は、欧州のインバーター向けを中心に前年同期比53%増加。さらに2026年9月にはBMWの次世代EV「Neue Klasse」の第6世代電動パワートレインへのSiCパワー半導体採用も発表した。

 EV市場の停滞によってSiCを取り巻く事業環境は大きく変化したが、ロームはその間も次世代品の開発を継続してきた。今後もデバイスとモジュールの両面から、SiC市場での競争力強化を図る方針だ。

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