キオクシア「明らかにスーパーサイクル」、純利益は半期で2兆円超:27年の生産能力は既に「SOLD OUT」(3/3 ページ)
キオクシアホールディングスが2027年3月期第2四半期(2026年7〜9月)の決算を発表した。2026年4〜9月の上期累計では、売上高が前年同期比約5.4倍の4兆2471億円、Non-GAAPベースの営業利益が同約25倍の3兆3145億円、Non-GAAPベースの純利益が同約37倍の2兆2356億円に達した。
北上工場の第3製造棟、2029年度中に稼働へ
中長期的な需要拡大に対応するため、キオクシアは生産基盤の増強も進める。同社は今回、北上工場(岩手県北上市)の第3製造棟「K3」の建設予定地の整備を開始したことを明らかにした。K3では最先端の3次元NAND型フラッシュメモリ「BiCS FLASH」を生産する計画で、2029年度中の稼働開始を予定している。
生産能力の拡大に当たっては、まず四日市工場の第7製造棟「Y7」と北上工場の第2製造棟「K2」の既存スペースを活用し、その後、K3によって市場の成長に合わせて段階的に生産能力を拡張する方針だ。
また、同日には、北上工場を運営する完全子会社のキオクシア岩手を、2027年4月1日付で吸収合併することも発表した。経営資源の一体的な運用を通じて、最先端フラッシュメモリの製造力強化を図る。
設備投資についても、需要拡大への対応を急ぐ。河村氏によると、同社は2026年度から2028年度までの中期経営計画において、年間4500億〜4800億円程度の設備投資を3年間実施する計画だが、2026年度は翌年度に予定していた投資の一部を前倒しし、5000億円強から6000億円弱の規模まで引き上げる計画という。ただ、3年間の投資総額については、現時点で大きく変更する考えはないとも説明した。
第3四半期も過去最高更新へ、第4四半期に成長再加速
キオクシアは2027年3月期第3四半期(2026年10〜12月)の売上高について、前四半期比約1%増の2兆5000億円を見込む。Non-GAAPの営業利益は2兆円、Non-GAAPの純利益は1兆3650億円を予想。営業利益は4四半期連続で過去最高を更新する見通しだという
なお、第3四半期の想定為替レートは1米ドル=157円で、第2四半期の161円から円高に振れることによる営業利益へのマイナス影響を約550億円と見込む。それでも、販売価格の上昇などによって増収増益を確保する計画だ。
2027年3月期第3四半期の業績予想。売上収益は2兆5000億円、Non-GAAP営業利益は2兆円を見込み、営業利益は4四半期連続で過去最高を更新する見通し[クリックで拡大] 出所:キオクシアホールディングス
一方、第3四半期の出荷量は前四半期とおおむね横ばいとなる見通しだ。これは、一部の製品を第2四半期に前倒しで販売したことに加え、製品構成が生産リードタイムの長いデータセンター/エンタープライズ向けにシフトし、一部の出荷が第4四半期にずれるためという。このため、第4四半期には記憶容量ベースの出荷量が大きく増加し、成長が再加速すると見込んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
DRAM/SSDの課題解決 キオクシアの最新フラッシュメモリ技術
キオクシアは、半導体メモリとストレージに関するイベント「FMS: the Future of Memory and Storage」で紹介した技術のメディア向け説明会を開催し、AI時代のフラッシュメモリの課題や、それにこたえる製品展開について紹介した。
キオクシアとSandisk、日本に5兆円投資 北上に新棟建設
キオクシアとSandiskは2026年8月27日、2032年までに日本国内で総額約5兆円を投資する計画を発表した。四日市工場と北上工場でフラッシュメモリの生産能力や関連インフラ、技術を強化する。同日、キオクシアは北上工場の第3製造棟(K3棟)の建設に向けた土地などの整備を開始したことも明らかにした。K3は2029年度中の稼働開始を目指す。
時価総額45兆円に キオクシア復活劇を支えたNAND戦略
キオクシアが、AIデータセンター向けSSD市場で攻勢を強めている。AIの用途が学習から推論へ広がる中、大容量NANDへの需要は急拡大していて、同社は第10世代「BiCS FLASH」を武器に、メモリ市場での存在感を高めている。
キオクシア、第10世代「BiCS FLASH」を北上で生産開始 AI需要に照準
キオクシアは2026年7月3日、キオクシア北上工場(岩手県北上市)の第2製造棟(K2棟)を披露するセレモニーを開催した。併せて、第10世代の3次元NANDフラッシュメモリ「BiCS FLASH」の製造をK2棟で開始したことも発表した。
「スーパーサイクルに入る」とキオクシア、変動の谷も小さく
キオクシアホールディングスは2026〜2028年度の3年間で年平均約4700億円の設備投資を実施する方針を示した。また同社副社長執行役員 財務統括責任者(CFO)の河村芳彦氏は今後の成長について「スーパーサイクルに入っていくと考えられる」と述べ、同社の事業構造が、安定的で高収益な成長を実現できる形へと大きく変化しているとの認識を示した。
キオクシア25年度 驚異の決算 Q4純利益は前年比30倍
キオクシアホールディングス(キオクシアHD)は2026年度3月期(2025年度)通期の業績を発表した。売上高は2兆3376億円で、2期連続で過去最高を達成。さらに、2025年度第4四半期のNon-GAAP営業利益は約6000億円で、2024年度通期の営業利益(4530億円)を上回る増益を達成した。
