Maxim Integrated Productsは、Industry4.0に向けた製品戦略を加速する。リファレンスデザインなどを用意してIndustry4.0を実現するためのソリューションを、より具体的に提案していく。
Maxim Integrated Products(以下、Maxim)は2015年6月3日、Industry4.0に向けた製品戦略などについて、東京都内で記者説明会を開催した。Industry4.0の実現に不可欠な産業用センサーモジュールやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の小型、高性能化を可能とするアナログIC製品や各種リファレンスデザインの提供に注力していく方針を示した。
「Industry4.0」は、ドイツ政府と産業界が推進するモノづくり革新プロジェクトである。徐々にではあるが2014年後半からIndustry4.0の目指すスマートファクトリが具現化されつつあるという。ドイツに追従する形で日米の有力企業などもスマートファクトリへの準備を始めようとしている。
Maximのインダストリアル&ヘルスケア事業部で、バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャを務めるSui Shieh氏は、Industry4.0の導入効果について、「生産効率の向上やメンテナンスの回数低減、工場のフレキシビリティを一段と高めることができる。もちろん、高品質の製品を低コストで製造することは究極の目的であり、不変でもある」と話す。
スマートファクトリの実例としてShieh氏は、3件を紹介した。「GEのGenxエンジン」は、26個のセンサーを内蔵し、300のパラメータを16サンプル/秒で測定。組込みコントローラが1回の飛行あたり平均で1億5000万のデータ処理を行うという。この結果、燃料効率は前世代品に比べて15%向上した。その上、効率よくメンテナンスを行うことが可能となりダウンタイムも削減することができた。「風力タービン」の事例では、大量にセンサーを用いたことで、風力エネルギーのコストはkWhあたり6.5米セントとなった。従来の15米セントから半分以下とした。「PLCを製造するシーメンスのアムベルク工場(ドイツ)」では、生産機種を変更する場合、コンピュータ端末からの指示で瞬時に行えるという。
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