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スマートグラスで視覚障がい者の外出をサポート、現在地を遠隔地でもシェア先端技術

パンタグラフは2015年6月1日、メガネ型ウェアラブル端末(スマートグラス)を活用した遠隔ガイドシステム「guide glass」を開発したことを発表した。視野や位置情報を遠隔地にいる他者と共有することができ、主に視覚障がい者の外出をサポートすることを想定している。今後は実証実験などを通じて実用化への取り組みを進め、早期のサービス化を目指す。

» 2015年06月02日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 ウェアラブル端末の研究開発を手掛けるパンタグラフは2015年6月1日、メガネ型ウェアラブル端末を活用した遠隔ガイドシステム「guide glass」を開発したことを発表した。

 「guide glass」は、メガネ型ウェアラブル端末を装着した人が、視野や位置情報を遠隔地にいる他者と共有することができ、周囲の状況に関する案内や説明をその他者から受けることができるシステムだ。

 今回開発されたシステムはAndroid OSをベースに開発し、「Google Glass」を試験機として使用。今後は他のメガネ型ウェアラブル端末向けにも対応を予定している。

視覚障がい者の外出をサポート

「guide glass」使用のイメージ図。出典:パンタグラフ 「guide glass」使用のイメージ図(クリックで拡大)出典:パンタグラフ

 「guide glass」は、主に視覚障がい者の外出をサポートすることを想定している。

 視覚障がい者の外出には、歩道上の障害物や交差点など多くの危険や困難が伴う。外出中に道に迷ってしまった際には、自分で道順を修正することが難しく、行き慣れた場所以外に一人で外出することには大きな不安が伴う。また、視覚障がい者は外出時に白杖を持つため、必ず片方の手がふさがってしまう。こうした課題を解決するために、メガネ型ウェアラブル端末の利点を生かして開発されたのが「guide glass」だ。

 メガネ型ウェアラブル端末には、通信機能によるデータの送受信、搭載カメラによる視野情報の取得、ハンズフリーでの利用が可能といった特長がある。 これらの特長を生かして、「guide glass」では以下のことが可能になっている。

  • 装着者が見ているシーン/風景を撮影して、リアルタイムで遠隔地にいる人間と共有
  • 同時に位置情報の共有により、装着者の現在地を遠隔地でも把握
  • VoIPにより装着者と遠隔地にいる人間で音声通話をする

 これにより遠隔地にいる人間は、装着者の現在地と周囲の状況を確認しながら、装着者との会話を通じてサポートやガイドをすることができる。また、子どもやお年寄りの遠隔からの見守りや、旅行者への遠隔からのガイドなどでの活用も見込んでいる。

 今後は実証実験などを通じて実用化への取り組みを進め、早期のサービス化を目指す。

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