Cypress、モバイル機器向けタッチパネル制御IC事業を1億米ドルで売却:M&A
Cypress Semiconductorは2015年6月、スマートフォンなどモバイル機器向けタッチパネル制御IC事業を米半導体メーカーに売却すると発表した。家電、車載機器向けタッチパネル制御IC事業はCypressが継続して行う。
Cypress Semiconductorは2015年6月10日(米国時間)、「TrueTouch」の製品ブランドで展開しているタッチパネルコントローラICのうち、モバイル機器向け事業を米Parade Technologiesに売却すると発表した。譲渡額は1億米ドル(約120億円)。2015年9月までに譲渡を完了させる見込み。
CypressのタッチパネルコントローラIC事業は、スマートフォンなどモバイル機器を中心に、近年では、カーナビなど車載インフォテインメント機器を含めた幅広い用途の静電容量式タッチパネル向けに展開。アナログ回路などをソフトウェアで再構成できるCypress独自技術「プログラマブルSoC」(PSoC)をベースに製品を開発。タッチパネルごとにカスタマイズが必要になる中で、フレキシビリティの高い同コントローラICとして、一定のシェアを確保している。フレキシビリティの他、耐ノイズ性、水検知機能などで差異化を図っている点も特長だ。
車載、家電向けはCypressが継続
Paradeに売却するのは、タッチパネルコントローラIC事業のうち、スマートフォン、タブレット端末、PC、ウェアラブル機器、カメラなどモバイル機器向けと特定の産業機器向け製品事業。家電向けと車載機器向けについては、引き続きCypressが事業を継続する。また、TrueTouchとは別に、「CapSense」の製品ブランドで展開する静電容量式タッチボタンコントローラIC事業についても、モバイル機器向けも含めてCypressが継続する。
Paradeは、米国シリコンバレーに本社を置くファブレス半導体メーカー。ディスプレイや高速インタフェース用ミックスドシグナルICを主力にする。Cypressのモバイル機器向けタッチスクリーンコントローラIC事業の取得について、Parade CEOのJack Zhao氏は「Cypressの優れた技術と他に類のないIPポートフォリオによって、当社は、すぐにも成長の機会を得ることができるとともに、対応市場の拡大と、収益と顧客ベースの多角化を図ることができる。さらに重要なこととして、テクノロジーリーダーである両社が手を組むことで、モバイルディスプレイにおけるParadeのディスプレイとタッチインテグレーションソリューションへのロードマップを具現化することができる」としている。
Cypressのプログラマブルシステム事業部門およびソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントであるHassane El-Khoury氏は、「モバイル・キャパシティブタッチスクリーン・ソリューションは、ディスプレイシステムに直接統合されることがますます増えてきている。Paradeの高度なディスプレイソリューションはまさにクラス最高レベルのもの。Paradeの製品は、同社が持つPCおよび民生電子機器の主要顧客との関係性により、Cypress顧客に対して、高度なテクノロジーおよび製品ロードマップを継続的に提供することのできる最高の選択肢となっている」とコメントしている。
なお、Paradeは、買収費用1億米ドルについては、手元資金を充てる予定としている。
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