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4K TVはじわりと浸透、次の流れはHDR2020年に向けて順調に市場は拡大(2/2 ページ)

「CEATEC JAPAN 2015」のNHK/JEITAのブースでは、4Kおよび8Kの液晶TVがずらりと並び、次世代TV技術として注目されているHDR(High Dynamic Range)対応TVも展示された。かつてのようにTVの話題が大きく取り上げられることはなくても、4K TVは着実に普及が進んでいることがうかがえる展示となっていた。

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4K TV市場は中国がけん引

 米国の市場調査会社であるIHSによれば、2015年第1四半期における4K TVの世界出荷台数は、前年同期比で400%増加し、470万台に達したという(参考)。IHSは、「TV市場全体を見ると決して好調ではないが、4K TV市場は、価格の下落、機種の増加、コンテンツの増加という3つが要因となって成長している」と分析している。

 現在、4K TV市場をけん引しているのは中国だ。中国では4K TVに対するニーズが高く、安い機種も出ている。ただし、JEITAの担当者は「中国製に関しては、液晶パネルの作りが粗雑など“安かろう悪かろう”のモノも多い」と述べている。IHSによると、4K TVで最も世界シェアが高いのはSamsung Electronicsで、2015年第1四半期は32%だった。次に、LG Electronics、中国のHisense(海信集団)、ソニー、中国のSkyworthと続く。

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4Kテレビの国内需要予測(クリックで拡大)

 さらに、4K対応のビデオカメラやデジタルカメラが次々に市場に投入されたことも、4K TVの普及に一役買っている。「ビデオカメラやデジタルカメラで撮影した動画や写真を、4K対応の大きなディスプレイで見たいから4K TVの購入を決めた、という消費者も多い」(JEITA)。TV単独ではなく、周辺の機器を巻き込んで4Kの世界が広がっている。

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4K対応機器が増えたことで、4K TVのニーズが高まった(クリックで拡大)

次世代TVはHDR対応

 米国メーカーとしては、VIZIOが2014年1月に50型の4K TVを約10万円で発表して話題をさらった*1)。ただ、欧米では4KよりもHDR(High Dynamic Range)が、TVの次世代技術として注目されている。日本でも、パナソニックやソニーがHDR対応のTVを発表したり展示したりしている。HDRは、次世代のBlu-ray規格「Ultra HD Blu-ray」に採用されている規格だ。パナソニックはCEATEC JAPAN 2015で、このUltra HD Blu-rayに対応したレコーダーを展示していた*2)

*1)関連記事:VIZIOの4Kテレビはなぜ売れた? 「意味的価値」の追求
*2)関連記事:Ultra HD Blu-ray対応レコーダーを披露

 HDRは、映像の明るい部分・暗い部分それぞれの輝度の幅を拡大し、いわゆる“白飛び”や“黒つぶれ”を防いで、本来の色や光に近い映像を再現する技術である。ブースでは、NHKが、HDRに対応した85型8Kディスプレイを展示していて、多くの来場者が大画面で再現されている映像に見入っていた。

photophoto NHKが展示した、HDR対応の80型8Kディスプレイ。右がHDR対応。スタジアムの上部の座席が、HDR非対応に比べて“白飛び”せずに、細部まで再現できているのが分かる(クリックで拡大)

CEATEC JAPAN 2015(CEATEC 2015)

CEATEC JAPAN 2015特集

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