東芝がHDD事業でリストラ策発表、PC向け縮小へ:150人規模の合理化も
東芝は2016年2月4日、HDD事業の構造改革策を発表した。国内HDD事業に関わる人員について、150人規模の再配置および早期退職優遇制度を実施する。
東芝は2016年2月4日、HDD事業の構造改革策を発表した。PC向けHDDビジネスを縮小するとともに、同事業に関わる従業員を対象に150人規模の再配置/早期退職優遇制度を実施する。
HDD事業の構造改革策は、開発機種の削減、人員の合理化などによって同事業の黒字化を目指すもの。開発品種削減では、市場が縮小するPC向けHDDで、販売数量が見込める主軸製品に開発を絞り込む。一方で、エンタープライズ向けHDDについては「今後も市場浸透が期待できる」と位置付け、経営資源のシフトを加速させる。加えて、HDDから置き換えが進み市場拡大が見込まれるSSD事業へのリソース投入も強化し、ストレージ製品事業のさらなる競争力を強めていくことを目指す。
人員削減策については、国内HDD事業に関わる人員について再配置、再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。対象人数は、再配置、早期退職優遇制度を合わせて約150人を予定。早期退職優遇制度は、40歳以上の勤続10年以上の従業員に適用し、2016年2月末から3月上旬にかけて募集を行い、退職日は同年4月末となる。
これら構造改革策実施に伴う費用は約40億円(2016年3月期計上)。構造改革に伴う固定費削減効果としては、2017年3月期に100億円以上を見込み、「(HDD事業において)2017年3月期の黒字化を目指す」(東芝)としている。
なお、東芝は2016年2月2日、同社の3次元NAND型フラッシュメモリ(3D NANDフラッシュ)の製造施設の建設に備え、四日市工場(三重県四日市市)の隣接地を取得すると発表している*)。
*)関連記事:東芝、3D NAND製造用に四日市工場の敷地を拡張
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