半導体メーカー売り上げ上位20位を当ててみよう:クイズで振り返る2016年(2/2 ページ)
2016年のエレクトロニクス業界のニュースを振り返る年末企画。今回は、米国のIC Insightsが発表した半導体メーカー売上高上位20社の予想からクイズを出題します(難易度:易)。
答え
(A)=Broadcom
Avago TechnologiesによるBroadcomの買収が完了し、2016年2月1日(シンガポール時間)から新生Broadcomが誕生しました。CEO(最高経営責任者)を務めるHock Tan氏は、中核事業について検討すべく、約24の既存事業を利益部門と不採算部門に分類。一部の事業を廃止することで、コスト削減策を進めていくといいます。
<関連記事>
・新生Broadcom、一部の事業廃止も視野に
・サイプレス、ブロードコムのIoT事業を買収へ
・ブロードコムの売上高、iPhone 7が後押し
(B)=東芝
不正会計問題などにより経営不振に陥る東芝ですが、唯一国内企業で10位以内にランクインする企業でもあります。2016年7月には64層の3次元構造NAND型フラッシュメモリのサンプル出荷を開始し、新たな製造拠点の建設スケジュールなども発表。NAND型フラッシュメモリによる東芝の復活に期待が掛かります。
<関連記事>
・東芝、赤字転落の半導体事業は自主再建
・東芝、18年度売上高5.5兆円に向けた事業計画
・東芝とWD、18年までに3D NANDに約1.4兆円投資へ
(C)=MediaTek
モバイル端末向けのターンキー・ソリューションで名を上げたファブレス半導体メーカーのMediaTek。次に狙う分野として、IoTと自動車を挙げます。特に、2016年11月には自動車市場へ本格参入することを発表しており、ADAS(先進運転支援システム)とミリ波レーダー、インフォテインメントシステム、テレマティクスの4つの分野について、基本的なソフトウェアを含めたソリューションとして展開していくといいます。
<関連記事>
・アジアの聯発科技が世界のMediaTekに化けるまで
・モバイルの次はIoT/車載で躍進狙うMediaTek
・MediaTek、10nmプロセスSoCを2017年Q2に出荷へ
(D)=Apple
半導体メーカーではないAppleですが、大きな存在感をみせています。2016年9月に発表した「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」「AirPods」では、同社にとって初となる無線SoCをはじめ、新型チップを3品種も搭載しているようです。
<関連記事>
・16年4〜6月のスマホシェア、Apple落ち込み続く
・Appleの新しいカスタムチップ3種を考察
・「iPhone 7 Plus」を分解
(E)=ルネサス エレクトロニクス
経営危機を脱し、成長フェーズへと移るルネサス エレクトロニクス。2016年9月には、米国の半導体メーカーIntersil(インターシル)を買収したことでも大きな話題となりました。車載向けマイコンおよびSoCで「世界ナンバーワン」のシェアを誇る同社。2015年の車載半導体市場のシェアこそNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)に首位の座を明け渡しましたが、今後の展開にも目が離せません。
<関連記事>
・ルネサス 社長兼CEO 呉文精氏:成長へ材料はあるが「意欲足りない」
・千載一遇のチャンスだったルネサスのIntersil買収
・Qualcomm+NXPは怖くない、車載ルネサスの自負
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2016年上半期、半導体商社の業績まとめ
2016年になっても収まらない、半導体業界に吹き荒れるM&Aの嵐。この収まらない業界再編は半導体商社にとっても変革期を迎えたことを意味するだろう。今回は年末企画として、株式上場する国内主要半導体商社の2016年上半期における業績についてまとめた。 - 2015年半導体業界再編を振り返る[上半期編]
2015年、半導体業界に“M&Aの嵐”が吹き荒れ、その勢いは収る気配さえない。2015年を1月から主な半導体業界の買収/合併劇を振り返っていく。 - 半導体業界、次なる買収ターゲットは?
半導体業界におけるM&Aの嵐は収まる気配がない。2016年も、2015年ほどの数ではないものの、大規模な買収が相次いでいる。では、現時点で買収のターゲットとなりそうな“残っている企業”はどこなのだろうか。 - クアルコムがNXPを約5兆円で買収へ
Qualcomm(クアルコム)は、NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)を約470億米ドル(約4.9兆円)で買収することで合意した。 - 衝撃の「ADIのリニア買収」背景と今後
日本時間2016年7月27日の朝、国内半導体業界にも衝撃が走った。営業利益率4割を超える超優良半導体メーカーLinear Technology(リニアテクノロジー)が、Analog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)に買収されることで合意したという。業界関係者は「まさかリニアが!」と驚くとともに、「なぜ、リニアが?」と首をひねった――。 - “IoTの勝者 ARM”買収でソフトバンクが狙うもの
ソフトバンクグループが2016年7月18日、半導体設計用IPベンダー大手のARMを買収した。ソフトバンクとARMとは直接的な関係性はなく、買収による相乗効果は見えにくい。なぜ、ソフトバンクはARMを買収するのかを考えたい。