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自動運転でFPGAの期待値高まる、ザイリンクスがデモ国際カーエレクトロニクス技術展(3/3 ページ)

ザイリンクスは、「第9回 国際カーエレクトロニクス技術展」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で、ディープラーニングを使った歩行者認識、IRカメラによるドライバーモニタリングシステム、Ethernet AVBを使った高速伝送のカメラシステムなど、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転向け技術をデモ展示した。

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クルマメーカーからの期待値が高まるFPGA

 ザイリンクスは2004年に車載市場に参入して以来、12年間にわたり、主にADAS向け製品のラインアップを強化してきた。同社は「レーダー、ライダー(レーザーレーダー)、カメラ向けの製品は全てそろっている」と話す。2016年における同社の車載向けFPGA、SoCの出荷数は約1900万個に上る。そのうち1200万個はADAS向けだ。「2016年、当社のADAS向け製品の出荷数は前年比で20%増加した。2017年も15〜20%増加すると見込んでいる」(ザイリンクス)


2016年、ザイリンクスの製品は23メーカー、85車種に採用された(クリックで拡大) 出典:ザイリンクス

 これまでは主にADAS向けに製品を出荷してきたザイリンクスだが、特にここ1年程は自動運転技術においてFPGAの存在感が高まっていることを感じるという。

 自動運転技術は大きく3つのブロックに分けて考えられる。センサーやカメラで何がどこにあるかを「認識する」ブロック、それらの情報を基にどう運転するかを「決定する」ブロック、そしてその決定に基づいて「運転する」ブロックである。

 ザイリンクスは「これら3つのブロックのうち、“認識する”と“運転する”については技術的にはほとんど確立されている。“認識する”についてはADASが当てはまるし、“運転する”についてはクルーズコントロールなどが該当するだろう。問題はその中間だ」と述べる。ザイリンクスは、「決定する」については、自分(クルマ)の位置特定と経路計画の2つがコア技術になるとみている。ただ、この「決定する」というブロックに限らず、自動運転技術は極めて複雑な上に、自動運転技術によって差異化を図ろうとする自動車メーカーも多い。そのため、ICやシステムの設計が、まだまだ確定していない状態だ。ザイリンクスは、「そこで、FPGAのようにプログラマブルなICが求められるようになっている。ASICに比べてTime to Marketが短いFPGAは、ADASや自動運転分野においてクルマメーカーからの期待値が高い」と強調した。


自動運転に必要な3つのブロック。「認識する(Cognition)」「決定する(Decision)」「運転/操作する(Operation)」(クリックで拡大) 出典:ザイリンクス

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