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パッケージング産業の再編成(前編):福田昭のデバイス通信(115)(2/2 ページ)
半導体製造工程における「後工程」を担うパッケージング産業の再編成が起こっている。今回から2回にわたり、パッケージ産業再編の動きを紹介する。
一段落した日系半導体企業の後工程切り離し
2009年に国内の後工程子会社(東芝LSIパッケージソリューション)の事業をジェイデバイスに譲渡した東芝は、2011〜2013年には海外の後工程子会社を相次いで譲渡することで合意した。2013年5月には中国の後工程子会社を台湾のSATS大手ASE(Advanced Semiconductor Engineering)の中国子会社に売却することで合意したと発表した。また同年7月には、マレーシアの後工程子会社の全株式をAmkorに譲渡したと公表した。
2015年以降は、日系IDMが後工程をSATS企業に売却、譲渡する動きは一段落したように見える。代わって目立ち始めたのが、SATS企業群の再編成である。
この動きについては後編で説明しよう。
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