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東芝、17年度通期の最終損益予測を下方修正:1100億円の赤字に
東芝は、2017年度(2018年3月期)第2四半期(累計)および通期の連結業績予想について、最終損益を下方修正した。東芝メモリの売却先が決まったことで、同事業の価値が確定し、税金の影響を算出できるようになったため、修正したという。
最終損益の予測を下方修正
東芝は2017年10月23日、2017年度第2四半期(累計(4〜9月期))および2017年度通期の連結業績予想について、2017年8月10日に発表したものを下方修正したと発表した。
下方修正したのは最終損益の部分で、具体的には、第2四半期(累計)において1400億円の黒字と予想していたものを600億円の赤字に修正。通期については、2300億円の黒字との予想から1100億円の赤字へと修正した。なお、2016年度(2017年3月期)通期の最終損益は9657億円の赤字だった。
修正の理由について東芝は、「東芝メモリ(TMC)の株式譲渡契約をPangeaと締結したことでメモリ事業の価値が確定し、当該取引にかかわる想定課税所得と年間税額影響を算出できるようになったため」と説明している。TMCの全株式は、米投資会社のBainCapital(ベインキャピタル)を軸とする企業コンソーシアムで構成される買収目的会社Pangeaに譲渡される。売却額は2兆円になる見込みで、2018年3月末までの売却が完了する予定だ(関連記事:東芝、日米韓連合にメモリ事業を売却)。
東芝によれば、TMCの株式譲渡が完了した場合には、2017年度で約1兆800億円(税引き前)の改善影響が見込まれるという。
東芝は2017年11月9日に、2017年度第2四半期の決算発表を行う予定だ。
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