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ARM、ゲートウェイ向けにMbedを拡充ARM TechCon 2017

ARMは、米国のシリコンバレーで開催した「ARM TechCon 2017」で、ゲートウェイ向けの「Mbed Edge」を発表した。

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「Mbed」をゲートウェイ対応に拡張

 ARMは、同社のIoT(モノのインターネット)デバイスプラットフォーム「Mbed」を拡充し、IoTゲートウェイ向けモジュールフレームワークを搭載した「Mbed Edge」を発表した。これによりARMは、IoTソフトウェアおよびサービス分野への参入に向け、大きな一歩を踏み出すことになる。

 ARMは今回の取り組みにより、まずは基本的なプロセッサの機能を高め、そしてゲートウェイ分野に強みを持つIntelの「x86」に対する競争力を強化し、さらに安全鍵を供給するという新しいビジネス分野を拡大していくという、3つの目的を達成していきたい考えだ。

 ARMによると、同社にとって初となるMbed Edge製品は、プロトコル変換モジュールとなる予定で、2017年末までには発表できる見込みだという。この他のモジュールは、セキュアブートやOTA(Over-The-Air)経由によるソフトウェアアップデート、セキュアな認証権限などを実現できるとみられている。

 ARMのIoTサービスグループでプレジデントを務めるDipesh Patel氏は、米国カリフォルニア州サンタクララで2017年10月24〜26日に開催されたARMの技術者向けイベント「ARM TechCon 2017」において、基調講演に登壇し、「ゲートウェイは、さまざまな種類の負荷やデータ抽出に対応できるよう、性能を最大限に生かして管理、使用する必要がある」と述べている。


基調講演で「Mbed Edge」を発表するARMのDipesh Patel氏

 既存のOEMスタックにソフトウェアやサポートを統合することは、誰でも無料で行うことができる。しかしARMは、安全鍵を提供するなどのサービスに、料金を課す考えだ。また、ハイブリッド型のソフトウェアスタックもサポートする予定だという。

 ARMのIoTグループでマーケティング&セールス担当バイスプレジデントを務めるMichael Horne氏は、「当社は、ヘテロジニアスなトポロジーやゲートウェイ、プロセッサなどについて、その現状と、今後しばらくの間どのように変化していくのかを考えてきた。その結果、ソフトウェアをさまざまな種類のゲートウェイ上に移植して動作させることが可能になった」と述べる。

 Mbed Edgeは、ARMのMbed OSの拡張版である。Mbed OSは、同社が2014年10月に発表した、IoTエンドノード向けのリアルタイムOSだ。Horne氏は、「Mbed OSは、特に中国において急速に導入が進んだ」と述べたが、具体的な数字については明かさなかった。

 一連のMbedモジュールが普及すれば、FreeRTOSなどの他のOSにも統合されるようになるだろう。しかしARMは、独自に試験を行ったスタックを、好ましいソリューションとして提供していく考えのようだ。

 Patel氏は、「RTOSの多くは、単純にカーネルとして存在する。しかし、完全なソリューションを実現するためには、カーネル以上のものが必要だ。ARMは、一連の統合型セキュリティと通信モジュールを提供し、それを維持していきたいと考えている。OEMにとって負担となっていたソフトウェアサポートを、全て排除することができた」と述べている。

 ARMは2016年に、Mbedを拡充し、エンドノードをクラウドサービスに接続するためのモジュールを追加した。Mbed Edgeは、クラウド関連の取り組みと、2017年10月23日に発表した新しいセキュリティアーキテクチャの両方を進展させることができた成果だといえる。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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