WLCSP採用デバイスの薄化に対応する新ツール:FOWLP向け研削ツールなど
ディスコは2017年11月27日、半導体デバイスの薄化に対応する精密加工ツール2種を開発し、2018年から順次発売すると発表した。
ディスコ、2018年から順次発売へ
ディスコは2017年11月27日、半導体デバイスの薄化に対応する精密加工ツール2種を開発し、2018年から順次発売すると発表した。
開発したツールは、半導体パッケージ研削向けグラインディングホイール「GFCPシリーズ」と、ハイバンプ付シリコンウエハーの裏面研磨向けドライポリッシングホイール「DPEG-BP type」の2種。いずれもスマートフォンなど高密度に部品を実装する電子機器向け半導体デバイスで採用が拡大しているWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)の生産に適したツールになる。
半導体パッケージ研削向けグラインディングホイールのGFCPシリーズは、WLCSPの一種であるFOWLP(Fan-Out Wafer Level Package)向けのツール。FOWLPにおけるパッケージ研削は、シリコン、銅、モールド樹脂、ポリイミドなど研削性の異なる素材を研削しなければならない。こうした素材を同時に、かつ、安定的に研削し、銅や樹脂などの延性材料のバリ発生を抑えることが難しかった。
GFCPシリーズは、延性材料の研削性にすぐれた有気孔のビトリファイドボンド砥石を採用。加えて、砥石の硬度を厳密にコントロールすることで、FOWLPを含むさまざまな構造、材料のパッケージの研削に対応できるようになったとする。
もう1つの新ツールであるDPEG-BP typeは、ウエハー上に100μm以上のハイバンプが形成されているWLCSPの薄化加工用途に向けたツール。
ハイバンプが形成されたウエハーの研磨を行う場合、厚い表面保護テープを貼ることでバンプの凹凸を吸収し、ウエハーの変形を抑えながら研削、研磨するのが一般的だ。ウエハー研削後は強度を上げるため、研削面にできた歪みを研磨して除去する必要がありますが、完全に歪みを除去するとゲッタリング効果が失われ、重金属汚染によるウエハーの特性不良が生じる可能性がある。
ディスコでは既に、ゲッタリング効果を維持しながら研磨が可能なドライポリッシングホイール「DPEGシリーズ」を展開しているが、厚い表面保護テープが貼られているウエハーでは、加工時に発生する熱が逃げにくくなり、研磨不良を誘発させるケースが出てきていた。
これに対し、DPEG-BP typeは、厚い表面保護テープが貼られたバンプ付きウエハーを研磨する際も、発熱を抑えることができ、安定した加工が可能になるという。ディスコでは「従来のDPEGシリーズ同様の高い抗折強度とゲッタリング効果の両立を実現している」としている。
新ツール2種については、2017年12月13〜15日に東京ビッグサイトで開催される展示会「SEMICON Japan 2017」のディスコブースで展示される予定だ。
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