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オープンIoTからIoSへ、モノからコトへMONOist IoT Forum 東京(2)(2/2 ページ)

EE Times Japan、MONOistを含むITmediaの産業向け5メディアは、セミナー「MONOist IoT Forum in 東京」を開催した。同セミナーのIoTテクノロジートラックの模様をレポートする。

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IoT活用で何を期待するのか


前田貴嗣氏

 日立システムズは、「日立システムズIoTビジネスへの取り組み」をテーマに、導入支援からデータ収集、セキュリティ対策まで、同社が提案するIoTソリューションの活用事例を紹介した。

 日立システムズの産業・流通フィールドサービス事業グループ産業・流通インフラサービス事業部で副事業部長を務める前田貴嗣氏は、ドイツのインダストリー4.0を始め、米国や日本におけるIoT関連への取り組みに触れ、工場などにおける導入成果を紹介した。

 こうした中で同社は、顧客のIoT導入に対してさまざまな支援サービスを用意している。例えば、「フェーズ1」として、IoT活用シナリオの提案や、IoT導入支援パックの提供などを行う。この中にはトライアルの実施や、事前の想定値とトライアル結果に基づくギャップ検証なども含まれるという。さらに、「フェーズ2」として、工場内のアナログデータをデジタル化する業務代行サービスなどを用意している。「顧客はまず、IoTを活用して何をしたいのかを明確にすることが重要だ」と述べた。

緊密となるIoTとエッジコンピューティング


石川健氏

 ウインドリバーは、「エッジ/フォグコンピューティングで広がる新たな世界と実現に必要な技術」をテーマに、エッジコンピューティングの実現に必要な基盤技術と、フォグコンピューティングの実現による新たな世界について、デモ機などを用意して具体的に紹介した。

 ウインドリバーの営業本部IoT事業開発部で部長を務める石川健氏は、「エッジコンピューティング市場は2018年もさらなる成長が見込まれている。フォグコンピューティングはPAから普及する」と話す。

 日本における2017年のIoT市場について石川氏は、「AI・機械学習とIoTがとても緊密な関係になっている。また、エッジコンピューティングによるリアルタイム解析の市場が形成されつつある」と分析する。

 エッジコンピューティングやフォグコンピューティングの必要性や、導入するメリットなどについても触れた。例えば、エッジコンピューティングを活用するメリットとして、「工場内の生産設備をリアルタイムに制御できパフォーマンスが向上」「クラウドへ送信するデータ量を減らし通信コストの節減につながる」「オープンプラットフォームを導入することで外部製のソフトウェアが活用できる」などのメリットを挙げた。一方で、ソフトウェアのデバッグ、システム検証の工数が増大するといった課題も指摘した。

リスクベースのアプローチへシフトするセキュリティ対策


牛込秀樹氏

 ラピッドセブン・ジャパンは、「IoTの脆弱(ぜいじゃく)性と対策−Rapid7の取り組み」をテーマに、脆弱性の現状や同社が提供するサービスを紹介した。

 ラピッドセブン・ジャパンの執行役社長を務める牛込秀樹氏は、「セキュリティ対策は、これまでの防御ベースから、迅速な検知と対応を行うリスクベースのアプローチへとシフトする。そのためには脆弱性を認識すること(可視化)が重要」と話す。

 IoTセキュリティの特長として、「脅威や攻撃、被害の範囲が広い」「長期利用するIoT機器が多い」「用途によってはセキュリティ対策に限界がある」「IoT機器の接続先を事前に想定することが難しい」ことなどを挙げた。

 こうした中で同社は、IoTセキュリティサービスとして、自動車と運輸、家電、医療、監視カメラなどの領域に向けて、「IoTペネトレーションテスト」や「プロトコルテスト」などを提供している。講演では、監視カメラや携帯型医療機器、デジタル玩具、Bluetooth搭載機器、車載機器、照明器具などの具体的な製品を挙げ、サービス事例を紹介した。

潮目が変わる、イメージセンサー市場


李根秀氏

 IHS Markitは、「5Gで花開くセンサー&イメージング市場〜ポスト・スマホカメラ時代の戦略〜」をテーマに、産業用途や自動運転/ドローン用途など、イメージセンサーの新たな市場についての予測などを紹介した。

 IHS Markit日本支社テクノロジー・メディア・テレコム部門の李根秀氏は、「スマートフォン向けで需要が拡大したイメージセンサー市場だが、5年以内に潮目が変わる。現在、踊り場を迎えている」と話す。その理由として、「通信環境が5Gに移行することで映像に対する要求が変わる」ことや、「車載システムや産業機器、医療機器など、新たな用途で需要が拡大する」ことなどを挙げた。

 車載カメラ市場は、2016年に5000万台を超えた。2020年に1億台規模となり、2022年には1億5000万台に達する見通しだという。車1台当たり10台のカメラが搭載されるとの予測もある。カメラ投入率は携帯電話機、スマートフォンのそれと同じスピードで推移しているという。自動運転に対応するための前方監視用カメラもこれから需要が増えると予測している。

 この他、農業や資源探査に用いるプロ用ドローン向けや、食品検査や部品検査などに用いるマシンビジョン向け、任意の波長を検出できるマルチスペクトルカメラ向けなど、新たな用途のイメージセンサーに注目。これらの市場予測などを紹介した。

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