2017年のエレクトロニクス業界を記事で振り返る:編集部が独断と偏見で選ぶ(3/4 ページ)
2017年のエレクトロニクス業界を、EE Times Japanに掲載した記事で振り返ります。
7月
米国家運輸安全委員会(NTSB)が2017年6月に発表した、Tesla Motorsの「Model S」による死亡事故の報告書を取り上げた記事です。NTSBは、500ページに上る調査結果を公表しました。
米国で開催されたコンピュータ関連のイベントで、半導体業界の専門家たちが「ムーアの法則」を中心に業界の今後について議論しました。専門家の1人は、Appleなどの動きから、半導体業界はIDM(垂直統合型)へと“逆戻り”するのではないか、と指摘しました。
・Bluetooth mesh、数千の端末で相互通信が可能に
Bluetooth SIG(Special Interest Group)が、メッシュネットワークをサポートする「Bluetooth mesh」を発表しました。シンプルなポイント・ツー・ポイントが売りのBluetoothですが、広域に対応できるようにしてほしいという根強いニーズがあり、それに応えるべく開発した技術だといいます。
8月
デンソーが、自動運転システム向けのプロセッサを開発する子会社「エヌエスアイテクス(NSITEXE)」を設立しました。CPUやGPUとは異なる新しいプロセッサを開発し、IPとして提供します。
・2017年Q2の半導体売上高、SamsungがIntelを抜く
2017年第2四半期の世界半導体売上高ランキングにおいて、Samsung ElectronicsがIntelを抜きました。メモリ市場が好調だったことが要因です。1992年以来、トップの座に君臨し続けたIntelは、首位をSamsungに明け渡すこととなりました。
世界半導体市場統計(WSTS)が、2017年の半導体市場についての予測を上方修正しました。当初、2016年比で11.5%増としていた予測を、同17%増に修正。半導体市場が好調だということが伺えました。なお、WSTSは2017年11月に発表した秋期予測で、これをさらに上方修正しています。
9月
2016年10月に最終合意していた買収案件が、完了しました。当初の予定では2017年春の完了を目指していましたが、関係当局による審査状況から日程を変更。9月1日の完了となりました。
東京大学工学系研究科教授の古澤明氏と同助教の武田俊太郎氏が発表した方式です。1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いるもので、古澤氏は「究極の大規模量子コンピュータ実現法」と自信を見せました。
東芝メモリ(TMC)の売却先がようやく決定しました。TMCの全株式の譲渡先は、米投資会社のBainCapital(ベインキャピタル)を軸とする企業コンソーシアムで構成される買収目的会社Pangea。売却額は2兆円になる見込みで、2018年3月末までの売却完了を目指します。
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