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2017年のエレクトロニクス業界を記事で振り返る編集部が独断と偏見で選ぶ(4/4 ページ)

2017年のエレクトロニクス業界を、EE Times Japanに掲載した記事で振り返ります。

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10月

量産間近、酸化ガリウムパワーデバイス

 「CEATEC JAPAN 2017」で京都大学発のベンチャー企業FLOSFIAが、2018年に量産を開始する予定の酸化ガリウムSBD(ショットキーバリアダイオード)を展示しました。次世代パワー半導体市場としては、SiCやGaNに比べ、かなり小さい(というか、ほぼゼロ)酸化ガリウムですが、2025年には酸化ガリウムの市場規模がGaNを抜くとの調査結果もあり、今後の成長が期待されます。

日清紡HD、リコー電子デバイスを買収

 少し意外な買収でした。日清紡ホールディングスは、アナログICなどを手掛ける新日本無線を子会社に持っています。リコー電子デバイスが手掛けるアナログ半導体事業との親和性が高く、シナジーを追求できるとの判断でした。

自動運転技術の新たな競争を仕掛けたNVIDIA

 NVIDIAは2017年10月に開催した「GPU Technology Conference 2017(GTC Europe 2017)」で、最新SoC(System on Chip)を発表。これにより、自動運転向けの演算性能をめぐる競争が、新たなステージへと向かうかもしれません。

11月

わずか0.1mm単位の攻防が生んだiPhone X

 2017年11月3日に発売されたApple「iPhone X」。その分解から、iPhone Xは、半導体技術の著しい進化と、Appleの設計力の賜物(たまもの)だったことが伺えます。

Broadcom、Qualcommを1000億ドルで買収交渉か?

 Qualcommに、Broadcomが買収を持ちかけたと報じられました。QualcommはNXP Semiconductorsの買収もまだ完了していません。Qualcommは、はっきりと拒否しましたが、Broadcomは諦めず敵対的買収を仕掛けています。

“打倒NVIDIA”に向け動き出したIntelとAMD

 長年、ライバル関係にあったIntelとAMDが歴史的な協業を果たしました。昔々は仲が良かったころもあった両社。激しい競争を繰り返した時期を経て、再び手を結んだのは、NVIDIAが“共通の敵”がいたからに他なりません。

12月

2017年の半導体市場、4000億ドル超で過去最高か

 2017年の半導体市場は好調で、市場規模は過去最高となる4000億米ドルを超える見込みです。製造装置市場も好調で、明るい兆しが見えています。

低周波数帯を使う5G、最後の砦は「波形をいじる」

 12月21日に、5G(第5世代移動通信)の無線方式「5G NR(New Radio)」の標準仕様の初版策定が完了しました。これにより、早ければ2019年の商用化に向け、開発が一段と加速するとみられています。5Gではミリ波を活用する技術が多く取り上げられますが、6GHz以下の周波数帯域でも、周波数利用効率を上げるための研究が進んでいます。

中国メモリメーカーが直面する“特許”の壁

 半導体産業に猛烈な勢いで投資する中国。特にメモリ技術に注力していますが、Samsung Electronics、SK Hynix、Micron Technologyという巨大な3社が持つ特許を侵害せずに技術開発を行うことは、極めて難しいとされています。Micron Technologyは既に、中国をけん制する動きに出ています。



 以上、EE Times Japanの記事で2017年を振り返ってみました。半導体の売上高が過去最高となる見込みなど市場が好調だった一方で、日本に目を向ければ、データ改ざんなど大企業の不祥事が次々と明るみに出た1年でもありました。

 年が明ければすぐに、「CES 2018」が始まります。エレクトロニクス業界の今後のトレンドが見られるこの展示会で、何が注目されるのか。米国EE Timesの取材を中心にお届け致します。

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