スマートスピーカーの待機電流を1/10に、村田の技術:低消費電力と安全性を実現(2/2 ページ)
村田製作所は、「第7回 IoT/M2M展【春】」で、Wi-Fiなどの通信モジュールをベースに、待機時の消費電力を極めて小さくできるソリューションなどを紹介した。
クラウドベンダーとの連携を強化
同社は、クラウドプラットフォームサプライヤーとの連携も強化している。ブースでは、aferoやElectric Impとの事例を紹介した。Aferoは、センサーなどのIoT機器からクラウド間で、シームレスなセキュリティの仕組みを提供している。この特長は暗号化・復号を通信の両端でしか行わないことだ。このため、既存のハブやゲートウェアはそのまま流用でき、送信中に情報が漏えいしたり改ざんされたりすることがないという。
このプラットフォームには、村田製作所製のBLE(Bluetooth Low Energy)モジュールにafero製のソフトウェアを組み込んだセキュリティ通信モジュールが用意されている。現場で収集したデータを暗号化し、このBLEモジュールを介して中継器に送信される。その後、LTEやWi-Fi通信を介してクラウド側に伝送されることになる。ブースではドアの開閉を模擬したスマートロックのデモを行った。
Electric Impとの連携では、センサーなどのIoT機器とクラウドコンピュータを素早く、安全かつシームレスに接続するためのプラットフォームとして、組み込み用Wi-Fiモジュールを提供する。現在、Type 1CDやType 1MD、Type 1GCなどの無線モジュールをベースとした製品が用意されている。
これらのパートナー企業は、無線モジュールの優れたRF特性や小型形状、そして十分な供給能力などを高く評価しているという。
NB-IoT対応LPWAモジュールも用意
低消費電力で広範囲をカバーできる無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」対応モジュールの開発にも注力する。「LoRaWAN」や「Sigfox」といった非セルラー系に加えて、「Cat.M1」や「NB-IoT」などセルラー系LPWAに対応する通信モジュールを用意した。ブースでは、NB-IoT対応LPWAモジュールを搭載した評価用ボードを用いてデモを行った。最新MCUの採用などにより、従来製品に比べて消費電力を低減したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 20万円で始められる、ADIのIoTプラットフォーム
アナログ・デバイセズ(ADI)は、「第7回 IoT/M2M展 春」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)で、IoT(モノのインターネット)向けプラットフォームや、構造物モニタリングなどに適用できる低ノイズのMEMS加速度センサーなどを展示した。 - ひずみの方向を検知する柔らかセンサーを開発
東京大学と村田製作所の研究チームは、磁性体の磁化方向を活用して「ひずみの方向」を検出することに成功した。 - 金属に同化するUHF帯RFIDでコンビニを変える
村田製作所は2017年9月13〜15日に開催された展示会「自動認識総合技術展」でコンビニエンスストアの商品管理用途向けに開発するUHF帯RFIDタグのデモンストレーションを披露した。 - “第7の感覚器官”実現を目指す村田製作所の挑戦
村田製作所は2017年9月27日、雰囲気や親密度など説明が付きにくい情報をデジタル化、可視化することを目指す仮想センサープラットフォーム「NAONA」の実証実験を開始したことを発表。2017年10月3〜6日に開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2017」で、NAONAのコンセプトデモを披露した。 - 再配達をなくす! LPWA+BLEを宅配サービスに応用
村田製作所は、「SEMICON Japan 2017」の特別展「WORLD OF IOT」ゾーンで、無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」対応の通信モジュールを用いたIoTのデモを行った。 - 村田製作所、アンテナ内蔵小型RAIN RFIDタグ量産
村田製作所は、アンテナを内蔵した小型RAIN RFIDタグ「LXMSJZNCMF-198」を商品化した。ウェアラブル機器やヘルスケア機器などの用途に向ける。