Intel、14nmの増産を明言:供給不安を軽減へ
Intelは2018年9月28日、2018年の年間売上目標の695億米ドルを達成する製品供給を実現できる見通しだと発表した。この発表によって、供給不足による収益の低迷に対する不安を軽減したい考えだ。またIntelは、2018年の設備投資費を過去最大となる150億米ドルに増やし、2019年に10nmプロセス採用チップを量産する計画であると明言した。
Intelは2018年9月28日、2018年の年間売上目標の695億米ドルを達成する製品供給を実現できる見通しだと発表した。この発表によって、供給不足による収益の低迷に対する不安を軽減したい考えだ。またIntelは、2018年の設備投資費を過去最大となる150億米ドルに増やし、2019年に10nmプロセス採用チップを量産する計画であると明言した。
Intelの暫定CEO(最高経営責任者)を務めるBob Swann氏は、2018年9月28日に同社のウェブサイトに掲載した公開書簡の中で、「設備投資費の増額分の約10億米ドルは、米国オレゴン州とアリゾナ州、アイルランド、イスラエルにある工場の14nmプロセス製造ラインの生産強化などに充てる」と述べている。同氏は、「設備投資費の増額とその他の効率化によって供給を増やし、顧客の需要に対応する」とする。
Swann氏は、「PC市場が堅調で、2011年以来初めての成長を見込んでいるが、それによって工場の負荷が大きくなっている」と述べている。同氏によると、「Intelは現在、PC市場の高性能コンピュータに供給するために、『Xeon』プロセッサと『Core』プロセッサの生産を優先させている」という。
Swann氏は、PC市場のエントリーレベルの供給は非常にひっ迫した状況にあると明かしている。
EE TimesはIntelと電子メールをやり取りしたが、IntelはSwann氏の公開書簡に書かれた内容以外の詳細な開示は控えたいとしている。
14nmチップの生産に負荷
米国の市場調査会社であるMoor Insights&Strategyでプレジデント兼主席アナリストを務めるPatrick Moorhead氏は、「サプライチェーンで不満の声が上がっていることは耳にしていたので、公開書簡の内容に驚いてはいない」と述べている。同氏によると、「Intelが10nmチップの量産に取り組んでいる確かだが、現時点での課題のほとんどは、14nmチップの需要増によるものだ」という。同氏は、「PCを含む、あらゆる市場が上向いているため、14nmチップの生産に負荷がかかっている。ノートPCに搭載されるチップが2コアから4コアに増えたこともその一因ではあるが、主な要因ではない」と指摘している。
Intelは数カ月にわたって、10nmプロセスを十分な歩留まりで量産するために努力を重ねてきた。同社は当初、2018年末までに10nmチップの量産を開始する計画だったが、2018年初旬にその計画を2019年に延期すると発表した。10nmチップの量産に奮闘するIntelは、復活の兆しを見せるPCプロセッサ市場でのシェアを最大のライバルであるAMDに譲るのではないかと懸念されている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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