RXv3コア搭載マイコン、演算性能は従来比2.5倍:ルネサスのRT66Tシリーズ
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットCPUコア「RXv3」搭載マイコンの第1弾となる「RX66T」グループを発表した。産業用モーター、エアコン、パワーコンディショナー、ロボットなどのインバーター制御用途に向ける。
e-AIによるモーターの故障予測も可能に
ルネサス エレクトロニクスは2018年11月、32ビットCPUコア「RXv3」を搭載したマイコンの第1弾となる「RX66T」グループを発表した。産業用モーター、エアコン、パワーコンディショナー、ロボットなどのインバーター制御用途に向ける。
新製品は、現行のマイコン「RX62T/RX63T」の後継機種と位置付ける。Rx3コアを搭載したことで、演算性能は従来の2.5倍に向上した。ベンチマークテストでは、動作周波数が最大160MHz時に928Coremarkを達成している。5V対応マイコンとしては業界トップクラスの性能であり、精度の高いインバーター制御を可能にした。
RX66Tグループは、端子数で64〜144端子品を、内蔵フラッシュメモリとして256k〜1024kバイトまでの容量品を用意しており、合計80品種となる。112端子品と144端子品では最大4モーター分、64端子品、80端子品、100端子品では最大3モーター分の出力が可能である。このため、多軸モーター制御を必要とする小型産業ロボットやパーソナルロボットといった用途にも適している。
高い信頼性を確保するため、ECC誤り訂正機能付きSRAMを16kバイト、全領域1サイクルで1ビット誤り検出可能なSRAMを最大128kバイトそれぞれ搭載した。高分解能のPWM制御も可能だ。従来の1.6倍となる最小195ピコ秒のタイミングでPWM信号を調整することができる。
マイコンの処理能力を高めたことで、新たな機能を追加することも容易である。「組み込みAI(e-AI)」によるモーター異常検知プログラムを追加すれば、モーターの故障検知や故障場所の特定が可能となり、予防保全/予知保全につながる。
ルネサスは、20kHz周期のリアルタイムでバッグが行え、10種類の新機能を追加した「Renesas Motor Workbench 2.0」や、24Vモーター制御評価キット向け「RX66T」CPUカードの提供も始めた。
なお、RX66Tグループの中で主流になるとみられる100端子品で、内蔵するフラッシュメモリ容量が256kバイトまたは512kバイト、SRAM容量が64kバイトの製品について量産出荷を始めた。1万個一括購入時の参考単価(税別)は3.25米ドルである。
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