高速NAND向けテストシステムなど、アドバンテストが展示:SEMICON Japan 2018(2/2 ページ)
アドバンテストは「SEMICON Japan 2018」(2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)で、同社のテストプラットフォーム向けの新しいモジュールなど、新製品を展示した。
高速プロトコルのNANDフラッシュに対応
NAND型フラッシュメモリ向けの新しいメモリテストシステム「T5851 STM16G」も、2018年11月に発表したばかりの新製品だ。「UFS 3.0」や「PCI Express(PCIe) Gen 4」といった高速なプロトコルに対応したメモリ/ストレージのシステムレベルテストに適しているとする。T5851 STM16Gの試験速度は、既存の「T5851 STM8G」の2倍となる16Gビット/秒(bps)に達し、最大768個のデバイスを同時にテストすることが可能だ。T5851 STM8Gと、T5851 STM16Gに入れ替えるだけで、UFS 3.0やPCIe Gen 4対応の試験ができることになる。
アドバンテストは「高速プロトコルのNANDフラッシュは、ハイエンドスマートフォンに採用され始めている他、5G(第5世代移動通信)では必要不可欠になるとされている。さらに、車載での採用も期待されている」と説明する。「NANDフラッシュメーカーは、UFS 3.0対応のNANDフラッシュのサンプル出荷を既に始めている。われわれテスターメーカーとしては、UFS 3.0のような最新の高速プロトコルに対応するテスターへと変更するタイミングは、まさに今なのではないかと考えている」(アドバンテスト)
NANDフラッシュやDRAM向けのバーンイン・テスター「B6700」シリーズとして、最新の「B6700D」や「B6700L」なども、ブース内で紹介している。B6700は、既にワールドワイドで250台以上が市場に投入されているが、B6700DやB6700Lは顧客のニーズに合わせて仕様を変更したものだ。例えばB6700Dは、ドライバーピンの数と電源電流性能が2倍になっている。電源電流については256Aを供給できる。B6700Lは、それに加えてチャンバー性能を追加し、−40〜150℃の温度範囲で試験が可能になっている。そのため、車載用フラッシュメモリのバーンイン試験などに適している。
その他、デバッグを目的とした「B6700DES」や、プローバーとドッキングさせ、ウエハー状態で良品判定を行える「B6700S」もそろえている。
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