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入力のアルプス+出力のアルパイン、強みを融合車載向けタッチソリューション(2/2 ページ)

アルプスアルパインは「第11回 カーエレクトロニクス技術展」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)で、車載向けのタッチインプットモジュールなどを展示した。

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押し込みの強弱を検出できるプッシュデバイス

 タッチパネル用の技術として、アナログプッシュデバイスも参考展示した。「0か1か」のみ検出するタクトスイッチと異なり、スイッチの押し込み量をアナログ検出できることが特長だ。つまり、押し込みの強弱を検出できるので、「ボタンAは軽く触れた程度でオンできるようにする」「ボタンBは強く押し込まないとオンできないようにする」といった機能をタッチパネルで実現できるようになる。「車載インフォテインメントシステムに応用するならば、オーディオの音量ボタンを『軽くタッチしたらボリュームが1だけ上がる』『強く押し込むと素早く上がる』ように設定できる。他にも、決定ボタンは強く押し込まないと反応にしないようにするなど、タッチパネルの誤動作を防ぐ機能を実現できる」(アルプスアルパイン)

左=タッチパネル上のボタンについて、押し込む強さを変えられる。「Light」は軽く触れるとオンに、「Heavy」は強く押し込むとオンになる/中央=音量も、1個ずつ上げたり、一気に上げたりすることができる/右=アナログプッシュデバイス。外形寸法は6×6×2.7mm(クリックで拡大)

長く手掛けている印刷技術

 車内インテリアのデザインなど向けとして、熱転写加飾印刷を展示した。旧アルプス電気は、熱転写印刷技術を長年手掛けている。近年は同技術を応用し、木目調や金属調の質感をフィルムに印刷して、それをスマートフォンなどの筐体に転写する加飾印刷技術を提供している。薄膜インクを高精度で多層積層することで、凹凸などを作りリアルな触感を再現することが可能だ。「これは、熱転写方式ならではで、インクジェット印刷やトナー印刷では難しい」(アルプスアルパイン)

プラスチックの筐体に加飾印刷フィルムを張るだけで、木目調や金属調を簡単に再現できる。実際に触ってみると、プラスチックという感じは全然しなかった(クリックで拡大)

 広報担当は、「この技術は、スマートフォンだけでなく、自動車や家電にも応用できるのではないか」と述べる。「高級車ではインテリアに本物の木を使えても、普及価格帯の自動車ではコスト的に難しい。そういった場合に、当社の加飾印刷技術が貢献できると考えている」(同氏)

 さらに、バックライトをオンにした時にアイコンを表示する「ステルス印刷」も可能だ。ボリュームのマークなどのアイコンを、あらかじめフィルムに非常に薄く印刷しておくと、LEDなどのバックライトで内照した時にだけ、アイコンが表示される仕組みである。

バックライトがオフの状態では何も表示されていないが(左)、オンにするとアイコンが表示される(中央)。右は、アイコン部分の拡大(クリックで拡大)

 これにタッチセンサーを組み合わせれば、手を近づければバックライトが点灯し、アイコンが表示されるといったシステムを作ることも可能だという。

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