50年の歴史を持つ米抵抗器メーカー、日本に本格参入:産業、医療、EVに注力
50年の歴史を持つ米国の抵抗器メーカー、Riedon(リードン)が、本格的に日本市場に参入する。
50年の歴史を持つ米国の抵抗器メーカー、Riedon(リードン)が、本格的に日本市場に参入する。
米国カリフォルニア州アルハンブラに拠点を置く同社の売上高規模は約1500万米ドル。過去2年間の売上高成長率は30%を達成しているという。ロサンゼルスとメキシコに工場を持つ。欧米や東南アジアには販売、サポート拠点を持っているが、日本ではこれまでDigi-keyを通じて部品を販売しているだけで、販売やサポートを直接行える拠点はない。
Riedonは、産業、医療、航空/宇宙、テスト/計測、電気自動車(EV)向けの急速充電システムの分野向けに製品を提供している。シャーシマウント抵抗器から、面実装およびリード線形の固定抵抗器まで幅広く標準品を扱っている他、顧客のニーズに合わせたカスタム品も多く提供している。Riedonのセールス&マーケティングでバイスプレジデントを務めるFrieda Hovsepian氏によると、提供している製品のうち、40%はカスタム品だという。
Hovsepian氏は、「抵抗器は、パッケージや仕様の点でカスタマイズの要求が多い。当社は、カスタマイズを追加コストなしで対応している」と述べる。
中堅ならではの、きめ細かさが強み
追加コストなしでのカスタマイズを含め、Hovsepian氏は、Riedonの強みについて「競合他社ほど会社の規模が大きくないので、顧客と1対1できめ細かくサポートできるリソースがある。製品を提供するまでのリードタイムも短く、他社では対応していない少量での提供も可能だ」と語った。「当社は2018年、1社も顧客を失わなかった」とHovsepian氏は自負する。
日本では、産業、医療、EV向け急速充電システムの市場に注力する。「日本には巨大な自動車市場があるので期待している。一方で、日本語でのサポートの有無や、日本語のWebサイトや情報があるかどうかを気にする国という印象を持っているので、地元のディストリビューターとの連携を目指す他、日本人のスタッフを雇用し、日本国内でのサポート体制を万全にしていきたい」(Hovsepian氏)
Hovsepian氏は、「日本のディストリビューターとの契約や、サポート体制の調整にもよるが、2019年内には本格的に、日本市場での直接販売を開始する見込みだ」と続けた。
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