ニュース
TDK、1kWクラスの無線給電システムを開発:AGVの自動給電を実現(2/2 ページ)
TDKは、「TECHNO-FRONTIER 2019(テクノフロンティア)」(2019年4月17〜19日、千葉・幕張メッセ)で、無人搬送車(AGV)向けの1kWワイヤレス給電システム「WPX1000」や、独自の構造によって故障リスクを低減した車載用電源系インダクター「HPLシリーズ」を展示した。WPX1000は今月17日から発売中、HPLシリーズは現在開発中だが1部の製品のみ今月から発売を開始している。
車載向けの大電流コイルも
HPLシリーズは、車載アプリケーション向けに開発された車載用電源系インダクターで、インダクタンスは80〜600nH、定格電流は最大120A、耐圧は20Vで、使用温度範囲は−55℃〜150℃。通常のようなワイヤを巻いた形ではなく、1つの銅の板で形成しているのが特長である。銅バーをそのままユーザー端子とする独自の構造をとっていて、はんだで接続しないため、オープンモードでの不良リスクが、限りなくゼロに近くなっている。
また、TDK独自の材料技術を用いたMn-Zn(マンガン亜鉛)フェライトで挟み込むことで、漏れ磁束も少なく、高効率かつ大電流の対応が可能となっているほか、3端子構造であることから振動や衝撃の耐性や、放熱性も高い水準を実現しているという。HPLシリーズは現在開発中だが、大型のGPU、SoC(System on Chip)向けの一部の製品は4月から提供を開始している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TDK、昭和電工の磁石合金開発事業を取得
TDKは2018年11月27日、昭和電工のネオジム磁石合金の研究開発事業をTDKが取得することで、昭和電工と合意し、譲渡契約を締結したと発表した。TDK広報によると取得の金額は非公開。 - 停電時でも医療機器を消毒できる、TDKのプラズマ発生素子
TDKはドイツ・ミュンヘンで開催された「electronica 2018」(2018年11月13〜16日)で、開発中の技術を含め、車載向けや産業向けの製品を展示した。 - 全固体電池を用いた環境発電を提案 TDK
TDKは、「CEATEC JAPAN 2018」で、開発した全固体電池「CeraCharge」を応用したエナジーハーベスト(環境発電)ソリューションなどのデモ展示を行った。 - TDKら、高誘電率材料の設計システムを開発
ファインセラミックスセンターとTDK、京都大学、物質・材料研究機構(NIMS)らの研究チームは、マテリアルズインフォマティクス手法を応用して、高誘電率材料を設計するためのシステムを開発した。 - TDK、米超音波センサーメーカーChirpを買収
TDKは2018年2月28日、米国の超音波センサーメーカーであるChirp Microsystemsを買収すると発表した。 - 車載用パワーインダクター、最大150℃に対応
太陽誘電は、車載機器向けSMDパワーインダクター「EST1060」のサンプル出荷を始めた。車載用電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応している。また、製品ごとに生産プロセスの情報がQRコードで印字されている。