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一度消えたPCMが「3D XPointメモリ」で劇的にカムバック福田昭のストレージ通信(147) 半導体メモリの技術動向を総ざらい(8)(2/2 ページ)

今回は、相変化メモリ(PCM)が市場から一度消えた後に、「3D XPointメモリ」で劇的に復活したことをご説明しよう。

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10年以上の歳月をかけて開発された「3D XPointメモリ」

 「3D XPointメモリ」について公式に発表された情報はあまり多くない。メモリセルアレイは2層の3次元クロスポイント構造であること、メモリセルは1個の記憶素子と1個のセレクタ(セル選択スイッチ)を積層した構造であること、シリコンダイの記憶容量は128Gビットであること、10年を超える歳月をかけて共同開発したこと、くらいである。現在に至るも、128Gビット・チップの要素技術が国際学会で本格的に発表されたことはない。

 一方でシリコンダイを元素分析する技術を備えた調査会社TechInsigtsにより、IntelのHDDキャッシュ製品から取り出した128Gビット「3D XPointメモリ」チップの解析結果が2017年8月のフラッシュメモリサミット(FMS)で発表された。製造技術は20nmのCMOS技術と1層多結晶シリコン配線技術、5層金属配線技術(クロスポイントのワード線とビット線を除く)である。クロスポイント構造のメモリセルアレイは、第4層金属配線と第5層金属配線の間に作り込まれた。


「3D XPointメモリ」の概要。開発企業であるIntelとMicron Technologyが公式に発表した情報以外に、他社が分析した情報を含んでいる。出典:MKW Venture Consulting, LLC

 シリコンダイ面積は206.5mm2(16.16mm×12.78mm)とかなり大きく、メモリセル面積は0.0015μm2と小さい。メモリセルの記憶素子はPCM、セレクタはOTS(Ovonic Threshold Switch)であること、PCMの材料はGeSbTeSi(組成は0.12:0.29:0.54:0.05)、OTSの材料はSeAsGeSi(組成は0.44:0.29:0.10:0.17)であることも明らかになった。

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