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「5G基地局の出荷は順調」、Huaweiが強調ベンダー間の競争は激化へ(2/2 ページ)

Huaweiは2019年9月初めに、中国 成都で開催した第5回目となる「Innovation Asia Day」において、同社の5G(第5世代移動通信)対応基地局の世界出荷数量が20万台に達したと発表した。また、現在までに締結した5G基地局関連の契約は、50件に上るという。

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5G基地局でしのぎを削る通信機器ベンダー

 ESM Chinaのレポートによると、Huaweiでディレクターを務めるXu Wenwei氏は、「これまでに世界各国に出荷された5G基地局全体の3分の2が、中国メーカーによって供給されている」と述べる。この数字の裏付けを取るのは難しいが、大半のアナリストたちは、「Huaweiはインフラ分野において、フィンランドのNokiaやスウェーデンのEricssonなど、長年のライバル企業の先を進んでいる」との見解には同意している。

 NokiaとEricssonは、同様の基地局の出荷数量に関しては消極的であるようだ。Nokiaは2019年7月に、同様の5G製品関連の商事契約を45件、Ericssonは24件、それぞれ締結したことを明らかにしたが、そのほとんどが米国と欧州の通信事業者だという。

 Samsung Networksが、主に“縄張り”内での5G商業化の成功を背景に、新しい技術を推進しているということは、紛れもない事実である。

 またSamsungは、提供するデータ量が過剰にならないよう警戒しているが、2019年4月に、韓国の大手通信事業者であるSK TelecomとKT、LG UPlusの3社に向けて、5万3000台の基地局を出荷したことを明らかにした。Samsung Networksは、同じく3.5GHz帯で動作する、自社バージョンのMassive MIMO基地局ユニットも導入している。

 Nokiaも韓国の通信事業者向けに周辺機器を提供し、スケジュール通りに稼働された。同社の一部の顧客からは、Nokiaの5G基地局の試運転が遅れたという声が上がっていたが、今回は滞りなく展開できたようだ。

 Nokiaは、Sprintの5Gサービス向けに米国の数都市で提供した機器の一部にソフトウェアの不具合があったことを認めているが、現在この問題は解消しているという。

 Samsung NetworksとEricssonが機器を提供しているSprintのその他のサービスエリアでは、順調に展開が進み、予定通り稼働したという。

Samsung Networksに勝機


画像はイメージです

 Samsung Networksは依然として、通信機器の4大メーカー(Huawei、Nokia、Ericsson、ZTE)を追う立場にあるが、アナリストらは、「他の多くの市場、特にアジアや米国市場では、Samsung Networksに大きなチャンスがある。米国ではHuaweiが制裁を受けており、アジアの通信事業者はNokiaとEricssonに代わる信頼できる企業を探している」と述べている。

 Samsung Networksの5G RAN(Radio Access Network)機器と基地局のポートフォリオは競争力があり、かなり高性能だとされているが、同社には、多くのグローバル市場で競争するために重要となるローカルネットワークのサポートや展開数、その他のポートフォリオの幅広さが欠けている。だが同社は実績や研究開発、製造リソースがあり、間違いなく、同分野のグローバルプレイヤーとして頭角を現すだろう。

 さらに、政治的激変や規制の混乱は言うまでもなく、アプリケーションや潜在的なサービスの面でも、5Gの展開はまだ始まったばかりで、時代の風はSamsung Networksに吹いているといえる。

 主要ベンダー間では激しい競争が繰り広げられ、契約獲得に関する訴えや反訴が提起されているが、これらは長期的に見ればほとんど意味がないだろう。

 GSA(Global mobile Suppliers Association)が2019年8月に発表した報告書によると、5Gの展開と普及は「継続的な進展」が見られるものの、これまでのところ3GPPに準拠した商用5Gサービスを発表しているグローバル事業者は39社にとどまっているという。直近では、クウェートの3社とバーレーンの1社、ドイツのT-MobileとVodafone、英国のVodafone、モルディブの大手通信事業者が5Gサービスを発表している。

 同報告書によると、これらの事業者のうち10社は固定無線5Gのみを、15社はモバイル専用サービスのみを提供しているという。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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